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創部100年超で初ドラフト指名…静岡の無名公立校「本人より仲間が号泣」「サッカー部バスケ部、文化部も一緒に」西武育成3位・後藤幸樹の感涙現場に密着
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間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2026/10/26 06:02
西武育成3位で、沼津商史上初のドラフト指名を受けた後藤幸樹。仲間たちも思わず涙
ドラフト中継がスクリーンに映し出され、チームメートや保護者、教員らがドラフトの行方を見守った。時間を追うごとに、その人数は増えていく。
サッカー部、バスケットボール部、陸上部といった運動部に加えて、文化部の生徒も加わった。野球部の枠を越え、沼津商全体で後藤の吉報を待った。
夢に見ていたプロの世界が、手の届くところまで近づいている。運命の1日を迎えた高校3年生が、いつも通り落ち着いて過ごすのは不可能だろう。後藤は朝からソワソワしていたという。そうなると予測していた大久保監督は、あえて放課後に普段と同じように練習するよう伝えていた。
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「動いていないと、後藤は落ち着かないと思います。ここ数日は心ここにあらずという感じですから」
後藤さん…練習、今に集中しましょう!
午後4時。後藤はグラウンドで練習を始める。ティー打撃、キャッチボール、ノックとメニューをこなしていく。その間、3年生の野球部員は別室でドラフト中継の様子を見守った。後藤が指名されたら、太鼓を鳴らしながらグラウンドに報告に行く段取りだった。
ドラフトを待つ後藤の緊張を和らげようと、ノッカーの大久保監督は大きな声で場を盛り上げる。
「後藤、元気ないんじゃない!」
その声に、後輩たちが呼応する。
「後藤さん、緊張が伝わってきますよ!」
「後藤さん、練習に集中。今に集中しましょう!」
ノックは午後5時半に終わった。しかし、太鼓を持った仲間はグラウンドに現れない。後藤は他の選手と同様、次のメニューとなるスクワットティー打撃に入る。スクワット1回につきティー打撃を1球する内容で、1セット20回を9セット消化した。まだ、太鼓の音は聞こえない。
スクワットティー打撃を終了すると、大久保監督は補食の時間を取った。ここで、後藤の我慢は限界に達した。ドラフトが気になって、練習に100%集中できない。練習メニューは残っていたが、別室へと走った。
祈るように見つめたドラフト会議
午後6時半前に仲間と合流した後藤は、祈るようにスクリーンに映るドラフト会議を見つめた。下の名前が同じ選手が指名されると「あ~、惜しい」と声を漏らす。なかなか自分の名前が呼ばれず、「拾って、拾って」と念じるようにつぶやいた。
不安そうな後藤に仲間たちは声をかける。「そろそろ来るぞ」、「絶対、指名されるから」と励まし、神様に祈るように両手を合わせる仲間もいた。
午後7時15分。全球団が支配下の指名を終了する。後藤の名前は呼ばれなかった。

