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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「大谷翔平でも清宮幸太郎でもなく…あの5球団競合は震えた」ドラフト会議“声の人”関野浩之アナ(64歳)が語る驚きの抽選劇と“運命の1日”舞台裏
text by

谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2026/10/22 11:07
当日は朝に会場入りし、持参したマイクをセッティングする。一日の進行とオペレーションを確認し、資料を整理して夕刻の開始に備える。
この秋はアジア大会やサッカー日本代表のスタジアムMCで各地を駆け巡った。それを終えるとすぐに薬を飲み、喉を整えてからドラフトモードに入った。
「さすがにこれだけ声を使う仕事をしていると、やばくなりそうなのがわかるんです。でも、ドラフトで調子を崩したことはありません。今回も万全です」
飲みに行けば「名前を読んで」と頼まれる。卒業シーズンには、保護者から卒業記念にわが子の名前を読んでほしいという依頼も届く。息子が野球部だった関野には、その気持ちが痛いほどわかる。それでも、一つ受ければ全部受けなければならない。個人の依頼は断り続けてきた。
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夢が叶う瞬間を、自分の声で彩ることができる。その重みを知っているからだ。
「誰かの幸せに乗っかれる、誰かの夢が叶うところに自分の声が立ち会える。こんなにありがたくて幸せなことはありません」
貫くのは「相手に寄り添うこと」
自分の体と感性で表現したい――演劇の世界に飛び込んだ少年の夢は、形を変えて叶ったのではないか。そう問うと、関野は少し考えてから答えた。
「自分を、自分を、とやっていくよりは、今の仕事はドラフトもサッカーもナレーションも、相手に寄り添うことなんだと思うんです。俺を見てくれ、俺はこれだぜ、じゃなくて、見ている人が今何を求めているのかを探りながら、感じながらしゃべる。俺を見ろよ、では届かないんですよ。天職? うーん……天職なんですかね。でもそう考えると、つくづく役者には向いてなかったと思いますね(笑)」
「第1巡選択希望選手――」。今年も関野の声を合図に、新たな主人公たちの物語が幕を開ける。


