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「大谷翔平でも清宮幸太郎でもなく…あの5球団競合は震えた」ドラフト会議“声の人”関野浩之アナ(64歳)が語る驚きの抽選劇と“運命の1日”舞台裏
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谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2026/10/22 11:07
当日は朝に会場入りし、持参したマイクをセッティングする。一日の進行とオペレーションを確認し、資料を整理して夕刻の開始に備える。
忘れられない「どよめき」
同じ2016年には、忘れられない場面がもう一つある。阪神が1位で白鴎大の大山悠輔を単独指名した瞬間、会場は大きなどよめきとため息に包まれた。
「事前に報道されていた選手の名前と違って会場のファンが驚いたからなのか、あの瞬間はなんとも言えない気持ちでした。(大山は)当時から大学日本代表の4番を打つような選手でしたから。でも見事に1位指名の期待に応えて、素晴らしい活躍をしている。すごく嬉しいです」
上位で名前が呼ばれない選手にも目が向く。高校で指名漏れし、大学や社会人で再び待つ選手。
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「今年こそ呼ばれるといいね、と思いながら準備するんです。だから残ってしまうと、そうか、ダメなのか、と。淡々と読んでいても、気持ちは皆さんと一緒ですよ」
ドラフトまでの準備「タグ」作りとは?
関野が本格的な準備に入るのは、本番の約1週間前だ。2週間前のリハーサルを終え、『週刊ベースボール』のドラフト特集号を手にすると“ドラフトモード”に入る。その間は、できる限りほかの仕事を入れない。
机に向かってまず取りかかるのは、“タグ”づくりだ。1位指名が公表されている選手の名前は、読み上げ用の紙に最初から印字しておく。タグを作るのは、それ以外に1巡目で名前が挙がりそうな選手だ。名前と所属を紙に書き出し、本番ではこれを読み上げ用の紙に貼り、それを見て読み上げるという。
「なんだかんだ願いも込めちゃうので、60枚くらい作るんです。でも余っちゃう。それが意外と悲しいんですよ」
60枚のうち、本番で手に取られずに残るのはひと握り。それでも、タグにない選手が1巡目で指名されたことは過去に一度もない。
タグはイメージカラーで色分けされている。例えば早稲田ならえんじ、といった具合だ。手間はかかるが、色が違えば、どこが競合したかもひと目でわかる。
なぜ、そこまでしてタグを作るのか。理由は生中継にある。1巡目はTBS系列で全国に中継され、限られた放送枠の中で入札、抽選、外れ1位の入札と進む。抽選が重なれば、残り時間は一気に削られていく。


