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「うちでセッターしないか」鹿児島の中学生が持っていた“もう一つの才能”…男子バレー遅咲き代表ルーキー河東祐大が“1カ月前の招集”でも適応できた理由 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT

posted2026/10/05 11:02

「うちでセッターしないか」鹿児島の中学生が持っていた“もう一つの才能”…男子バレー遅咲き代表ルーキー河東祐大が“1カ月前の招集”でも適応できた理由<Number Web> photograph by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

アジア選手権の1カ月前からA代表に合流した河東祐大(28歳)。アジア大会まで激動の2カ月を過ごした

「河東さんのトスは、アタッカーの精神的な状況を理解してくれているというか、ここで決めたら気持ちいいというところで、本当にそういうプレーをさせてくれる。たとえばミドルの使い方にしても、点差がある時は使えても、拮抗してくると使わなくなるセッターもいますが、河東さんは常にミドルを使う意志を見せてくれるから、1本のトスで勢いをつけさせて、アタッカー全員を試合に参加させるようなトス回しをしてくれる。だからこそ、僕は河東さんが“使える”と思える選択肢に入ることが大事だと思っていたので、常に意識して攻撃に入り続けました」

 この夏、西川もまた、河東と同様にA代表とB代表を行き来した。直前の抜擢でアジア選手権に出場した河東の大変さを、より理解できる立場でもある。

「本当にすごいなと思います。あの状況でもコートに入れば堂々とプレーしていた。本当にいいセッターだなというか、いいセッターです」

今だからわかるオミさんのすごさ

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 アジア競技大会は決勝でイランに敗れたが、2014年仁川大会以来12年ぶりとなる銀メダルを獲得した。悔しさをのぞかせながらも、河東の表情は清々しかった。

「率直に悔しい気持ちが一番ですけど、すごく楽しかったですし、自分の成長につながる代表期間でもあった。悔しさも含めて、次につながるいいステップだったと思います」

 アタッカーを活かすも殺すもセッターの技量次第。そう戒めながら「一本、一本、意図を持ってトスを上げ続けた」という河東。ただ言葉をかわすだけがコミュニケーションではない。アタッカーの気持ちを理解することも、セッターとして必要な資質なのだろう。

 すべてをやり切った今だからこそ、河東がすごさを実感したのがアジア選手権で正セッターを務めたベテラン深津だった。

「7日で6試合はタフな日程でしたけど、(重圧が大きかった)アジア選手権も同じような日程だった。そこを戦い抜いたオミさん(深津)はすごいな、と。歳も離れているし、代表で一緒になるまでは話したこともなかったし、正直怖さもありました。でもいろんな話をして、濃い時間を過ごせた。すごくたくさんのことを学んだ中で、自分はまだ足りないものがあるから、(アジア競技大会では)金メダルまで一歩届かなかった。オミさんを超えるのはもちろんですけど、代表のセッターとして在り続けるためには、プレーもフィジカルも自分が成長しなければいけない要素はまだまだたくさんある。この経験を無駄にせず、日本にはいいセッターがたくさんいるので、負けないように。もっともっと成長したいし、またこれから、所属チーム(ジェイテクトSTINGS愛知)でもしっかり頑張りたいです」

 来年2月に29歳。決して若手とは言えない年齢ではある。だが、巡ってきたチャンスをつかみ、日本代表として戦い抜いた自信を得た。

 限界は自分が決めるものではない。まだまだここからが、成長の時で、伸び盛り――。遅咲きの代表ルーキーが、2年後のロス五輪へ名乗りを上げた。

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