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「こんだけやっても無理か」敗者・那須川天心にあった“3つの誤算”…なぜジャッジは井上拓真を支持したのか? 勝敗を分けた「ダウン後の“2分30秒”」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/09/28 17:10
WBC世界バンタム級王者・井上拓真との再戦に敗れた那須川天心。7回にダウンを奪うも、ジャッジは3者ともに拓真を支持した
那須川は拓真がダッキングするところに合わせて左アッパーを打ち込むなど、この試合のために用意したであろう攻撃を仕掛けるが、カバーリングで対応する拓真を脅かすまでにはいたらない。序盤戦は拓真がやや優勢に見えながら、まだどちらが流れをつかんでいるとは言えない拮抗した展開となった。
葛西トレーナー「ビックリしました」公開採点に衝撃
那須川陣営の2つ目の誤算は4回を終えての公開採点だった。読み上げられたスコアは1人が38-38のドロー、残り2人が40-36、39-37で拓真を支持していた。葛西裕一トレーナーはこの採点に衝撃を受けた。
「ビックリしましたね。3ポイントは取っていると思って、悪くてもドローならしょうがないと。主導権はこっちだったと思うんです。アグレッシブなチャンピオンが引いていましたから」
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那須川陣営は第1戦でも同じような経験をしている。4回まで優勢だと見ていたら、ジャッジ3者ともに採点はイーブンという結果に直面したのだ。どちらも決定的な場面を作れない試合でスコアが割れる、あるいは偏るということはよくある話だ。さすがに40-36は厳しいように思えたが、拓真の39-37は十分にあり得る採点に見えた。ジャッジの是非はさておき、那須川陣営がスコアを読み誤ったのは事実だった。
これを受けて陣営は那須川に対してもう少し前に出るように指示を出したが、5回は拓真がワンツーからの右アッパーを決めるなどジャッジ3者の支持を得る。それでも拓真のペースになりかけたと思った7回、那須川が打ち合いの直後、フェイントからのワンツーを決めて、拓真からダウンを奪った。伸びのあるきれいなワンツーだ。重苦しい雰囲気を一気に吹き飛ばす鮮やかなダウンに、アリーナに詰めかけた1万人がドッと沸いた。
ダウンを奪った直後にあった“3つ目の誤算”
ここも一つのポイントだった。拓真が立ち上がって残り時間は2分30秒ほど。「効いていなかった」と拓真は振り返ったが、ダメージがないわけはない。那須川はフィニッシュを狙って拓真に襲い掛かる。しかし、ここは拓真が一枚上だった。このシーンを本人は次のように説明した。
「まずは回復しなくちゃいけないので、ロープ際で休みながらディフェンスしました。ロープ際は自分の得意のパターン。集中していれば絶対にもらわない自信がありました」


