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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「横浜ファンの方も許してくれるかなと」元DeNA・乙坂智、巨人入団の“真相”…退団後は再び米独立リーグへ「最後はベイスターズで終えたいな」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNaoya Sanuki
posted2026/09/30 06:30
横浜DeNA退団後、米独立リーグ球団や巨人を渡り歩いている乙坂智
「めちゃくちゃ感動していたんですよ。ライトスタンドのベイスターズファンの応援の熱量が本当すごくて『えっ、こんな応援をバックにプレーしていたんだ!』って鳥肌が立ったんです。これは相手からしたら、すごく嫌だろうなって思いました」
チームを離れ、立場を変えたからこそ理解できたハマスタに渦巻くようなDeNAの応援の凄まじさ。三塁ベンチで迫りくるような重圧を乙坂は全身にビンビンと感じていた。
そしてDeNAが2―1とリードして迎えた5回表、2死走者なしの場面で代打・乙坂の名前がコールされた。DeNAファンからは万雷の拍手が起き、横浜スタジアムは大歓声に包まれた。ユニフォームは異なれど、やはり乙坂にとってハマスタは永遠のホームなのだ。
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乙坂は、アンソニー・ケイが投じた初球を逆方向へ弾き返し、レフトオーバーのツーベースで、NPB復帰後初安打を記録した。ハマスタで決めるところが乙坂らしい。
ここで終わったらダサくね?
しかしこの後、1試合出場すると8月16日に抹消され、それきり浮上できぬまま巨人を自由契約になってしまう。わずか5試合、5打席の出場。ヒットはハマスタで放った1本だけだった。はっきり言って戦力にはなれなかった巨人での日々を、乙坂はどのように感じているか。
「いち早く声を掛けて頂いて感謝していますし、だからこそ力になれなくて申し訳なかったというのが一番です。自分のパフォーマンスを発揮することができませんでした。けど同時にジャイアンツにはめちゃくちゃいい若い選手が多いので、心からがんばって欲しいなと思っています」
若手のメンターのような立場で過ごすことは、DeNA時代も海外でもなかった。結果こそ出せなかったが、乙坂にとって人間力を高める上でいい経験になったのだろう。「NPB復帰は間違いではなかった?」と乙坂に問うと、真っすぐな目で「もちろんです」と力強くうなずいた。
月日は流れ昨年の12月上旬、乙坂が2026年シーズンを再びヨーク・レボリューションでプレーすることが報じられた。
心のどこかで、メジャーを目指しマイナーまでたどり着き、NPB復帰も果たしたことで、一区切りついたとこのまま球界を去るかもしれないと思っていたが、乙坂はまだ戦いつづける選択をした。
「このまま終わった方が、たしかに綺麗だとは思いますよ」
小さくうなずきながら、乙坂は柔らかい表情で言った。
「諦めちゃおうかなって思ったことも正直に言えばあったんですけど、いろいろ考えているうちに、ここで終わったらダサくね? と思ったんですよ」
そう言うと乙坂は口角を上げた。いろいろ考えた末、辞めない理由は3つあると教えてくれた。

