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「完璧な人間はいない」「祐希さんは戻ってくる」西田有志が高橋藍が小野寺太志が深津英臣が…全員が石川祐希を信じて託した“最後の1点”
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJVA/AFLO SPORT
posted2026/09/15 11:05
ロス五輪の出場を決めたバレーボール男子日本代表のキャプテン石川祐希(30歳)。久しぶりに見た、会心の笑顔だった
ところが3連戦の3日目となった決勝は、出だしにイランのオポジット、アリハジプール・モガダムファロジのブロックに立て続けに捕まる。その後も被ブロックやミスが重なった。それでも、第2セット25-24から、石川が相手コートのエンドライン際にノータッチエースを決めてセットを奪取すると、西田が体をぶつけるように石川を引き寄せて肩を組み、一緒に雄叫びをあげた。あえぐキャプテンを1人にはしない。
「祐希さんも祐希さんで、苦しんでいた部分はありましたけど、戻ってくると思ってたので」
そのまま西田はコート内にいた全員を集めて肩を組み、鬼気迫る表情のまま何か念を押すように語りかけた。
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「僕らは3セット目がいつも難しい展開になるので。その準備のための声掛けですね」
リーダーシップを取るのはキャプテンだけではない。それが今の日本だ。
第3セットに入る時には、高橋が「みんなで行くぞ、みんなで!」と叫ぶ。今大会を通して、サービスエース22本を含むチームトップの96得点を挙げて日本を牽引した高橋が、山本の好守備を得点に繋げて第3セットのスタートを切ると、西田、高橋を中心に得点を重ねていく。
最後を石川に託したセッター深津
一進一退の展開となるが、終盤、西田のサービスエースなどでリードし、24-23とマッチポイントを握った。デュースには持ち込まれたくない、1本で決めたい場面。高橋のサーブレシーブはキレイに返り、どの攻撃も使える状態だった。そこでセッターの深津は迷いなく石川に託した。
「祐希は今日パス(サーブレシーブ)がすごくよかったので、なんとしても祐希をもう一回這い上がらせる必要があったし、彼は集中力が切れていなかったので絶対大丈夫だと思った。少なからず昔一緒にやっていましたし、彼はどういうところで勝負強いとか、スイッチを入れてくるとか、わかっていたので。『持ってこい』という表情をしていましたし。今シーズン、彼がすごくいろんなことに気を遣いながらやっている姿を見ていましたし。あそこで決め切ってくれるのが祐希ですね」
キャプテンは最後にみんなの期待に応えた。
長年にわたり石川は日本代表の大黒柱だが、今、柱は1人ではなくなった。試合後、石川はこう語った。
「僕はスパイクに関しては本当に今日は頼りなかったですけど、チームメイトが本当に頼りになりました。ずっとこのアジア選手権でロス五輪の出場権を獲得することが一番だと言い続けてきて、それを達成できるチームになった。僕が何かやったというよりは、周りの選手がそれぞれ強くなって、リーダーシップを発揮して、さらに強くなっているチーム。本当に仲間に感謝したいと思います」
穏やかな表情で感謝を口にした。だがその奥で、きっと悔しさとともに誓っているはずだ。「ゴール」と位置付ける2年後のロサンゼルス五輪でメダルを獲得する時には、自分が日本を引っ張ると。



