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「お見送りに行きたかった…」男子バレー小野寺太志が「お父さんだし、先生」と慕う人物とは? 学んだ“世界一”の包容力「自分もチームにいい影響を」
posted2026/09/11 11:03
安定感あるプレーと、チームを俯瞰した言動で日本代表を支えるミドルブロッカー小野寺太志(30歳)
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JVA/AFLO SPORT
「いってー!」と言わんばかりに、小野寺太志は額を押さえ、髪をかき上げた。
アジア選手権予選ラウンド第2戦のバーレーン戦、第1セット12-6の場面。バーレーン、アブドゥルワヘドの強烈なスパイクが、ブロックに跳んだ小野寺の頭を直撃し、跳ね返ったボールは勢いよく天井に当たった。相当な衝撃があったに違いない。
今年はいろいろなことが重なったため心配した観客も多かったのではないか。7月のネーションズリーグ準々決勝・中国戦では、軽く押された拍子にふらついて倒れた場面があった。すぐに起き上がり出場を続けようとしたが、西田有志らに説得されてベンチに下がった。
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不整脈の症状が出ていたが、翌日帰国し検査と治療をしたのち、プレーしても問題ないと診断され、8月の薩摩川内合宿から代表に戻った。だがその後は左膝を痛め、別メニューでの調整が続いていた。
それでもアジア選手権が開幕すると、予選ラウンドは全試合で先発し、10本のブロックポイントを挙げブロックランキングトップに立った。
バーレーン戦で頭にスパイクが直撃した直後には、冷静にBクイックを決め、観客を安心させた。
「オミさんが気を利かせてくれたんじゃないですか」と試合後、セッターの深津英臣に感謝した。
深津は「いやいや」と笑いながら首を横に振る。
「彼の表情を見ても、クラクラしている感じはなかったし、目が痛そうな様子もなかったので。あの場面はパスがよかったし、太志ともう一回試合でいいコンビを組みたいと思っていた中で、チャンスが来たから上げました」
さらに、深津のサーブでチャンスを作ると、またも小野寺にトスが上がり、鮮やかに決めて連続得点を奪った。
それでも小野寺に大きなガッツポーズはない。微笑みながらチームメイトとハイタッチすると、すぐに素に戻る。それが小野寺のスタイルだ。
2024年のパリ五輪など、時折感情が溢れて雄叫びをあげることもあるが、“淡々と”がスタンダード。それは意識して作り上げてきたものだ。

