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不可能を可能にした「奇跡」の裏に“羽生結弦メソッド” 紀平梨花&西山真瑚組がカップル結成約1年で国際大会8位「紀平が足を西山の首にかけ…」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2026/09/17 17:00
木下グループ杯にて、フリーダンスの演技を行う紀平梨花と西山真瑚
「向いてなかったら無理しないでもでいいと思っていたのですが、いざ滑ってみたらすごく楽しくて、アイスダンスをやりたいって思いました。ずっと絶望のような感覚の中で過ごしていたのが、アイスダンスっていうものに少しでも希望を感じて、先が明るく見えるような感じがしたんです」
紀平の様子を見て、西山も直感した。
「梨花ちゃんがアイスダンスを楽しんでくれているのが分かりました。いずれアイスダンスでオリンピックを目指していきたい、という思いを聞くことができて、自分と通ずる部分がたくさんあったので、一緒に頑張りたいと思いました」
不可能を可能にした「2つの要素」
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すでに夏の終わりの時期。通常であれば、そこから紀平が初めてアイスダンスの技を練習して、初戦となる11月の西日本選手権に間に合わせるのは不可能である。しかし2つの要素がそれを後押しした。1つはシングルのトップ選手として戦ってきた紀平の強靭なメンタル。そしてもう1つは、2人ともクリケットクラブで基礎スケーティングを習っていたことだった。
クリケットクラブには、羽生のスケーティングスキルを世界トップへと磨き上げた、集団での基礎レッスンがある。88年カルガリー五輪、アイスダンス銅メダリストのトレーシー・ウィルソンが考案した、ステップやターンを組み合わせた練習メニュー。これを毎日繰り返すことで、シングル選手でもジャンプの練習に執着せずに、滑りの力を鍛えるのだ。時期は違えど、同じレッスンを受けてきた2人は、カーブの使い方や、膝の曲げ伸ばしのタイミング、重心の掛け方といった、スケーティングの基礎が共通していたのだ。
「無理かなっていう瞬間は何度もありました」
驚異的なスピードでプログラムを完成させ、昨年11月の試合に出場した2人は、こう語っていた。
「この大会に出られたことが本当に奇跡。やっぱり無理かなっていう瞬間は何度もありましたが、出れたことがいい収穫になりました」(紀平)
「梨花ちゃんの、どうしても西日本選手権に出たいという強い気持ちが日々伝わってきて、本当に一生懸命練習するので『さすがだな』と。すごいメンタルでした」(西山)
そんな2人が、今年1月からの長いオフをかけて練習を積み、真のアイスダンサーとして迎えたのが、今季の国際大会初戦、CS木下グループ杯だった。

