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「2位だけどそれで良いんです」五輪銀のロシア選手が出産後1年で驚異の4回転成功…イグナトワが語る“復帰の真相”「私には小さな子供がいるし別の生活も…」
posted2026/09/14 00:00
木下グループ杯で銀メダルを獲得したロシアのイグナトワ。2025年8月に出産して約1年での国際大会復帰だった
text by

野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
「2位だけど、もちろんそれで良いんです。むしろ2位なんて必要ないんです。練習してきたことをすべてやり切れて、今日は本当に嬉しいです。やっぱりノーミスするというのは難しいことですから」
ロシアのアレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)が、結婚、出産を経て、氷上に戻ってきた。4年ぶりの国際大会となるCS木下グループ杯(9月4−6日、東京)で4回転ルッツを決め、221.06点の高得点で2位に。表彰式後、息子のミハイル君を抱っこしながら幸せそうにインタビューに答える姿は、2022年北京五輪で銀メダルに涙した少女とはまるで別人だ。母となった4回転の寵児が、新たな人生をセンセーショナルにスタートさせた。
イグナトワは、ロシア女子の4回転時代を象徴する、脅威のジャンパーだった。北京五輪のフリーでは4回転5本を降り、他を圧巻。しかし4回転2本を決めたアンナ・シェルバコワに敗れて銀メダルとなると、「スケートが嫌い。もう二度と滑らない。みんなが金メダルを持ってるのに、私だけ金メダルがない」と、目を真っ赤に腫らして泣きじゃくった。
出産から1カ月半でジャンプの練習を再開
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その後はスケートから離れ、2024年に結婚。昨年8月に第一子を出産した。
「長いブランクの期間中、『自分が本当にやりたい事はなにか』と、常に考えてきました。結婚して、すべてが順調で、まずは子供が欲しいと思ったんです。ただそれと同時に、これまで成し遂げてきた大きな成果を振り返ったときに、もう一度滑りたいと思いました」
出産から9日目にリンクに復帰。1カ月半後にはジャンプの練習を再開した。
「状況は大きく変わりました。以前はフィギュアスケートだけでしたから、ひたすら練習、練習。自由な時間は休息に充てて、翌日の練習に備える。でも、自分だけの時間はなくなりました。スケートをして、家に帰ったら回復に充てる時間は全くありません。育児との両立はキツいですが、常にすべてに均等に時間を割くよう心がけて、すべてに全力を注ぐようにしました」
復帰に向けては、北京五輪まで師事していたエテリ・トゥトベリゼコーチのもとに戻った。


