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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「死球箇所がズレてたら死んでました。あるいは目玉が落ちて…」顔面直撃の元ロッテ名選手が語る「恐怖心は引退まで続いた」死球増のプロ野球に本音
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岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2026/09/08 11:03
今季のプロ野球で連日のように報道される「死球」。その危険性は? 写真は現役時代に顔面死球を受けた経験をもつ水上善雄(元ロッテほか)
「村田兆治さんが200勝まで、あと2勝だったんです。私は兆治さんの後ろで10年、ショートを守ってきた。『大記録を達成する時、俺がいなきゃおかしいでしょ』という自負がありました」
「野球やってる場合じゃないですよ」
入院生活中も、水上は本拠地の川崎球場を訪れ、リハビリに励んでいた。そして、自ら1カ月での戦列復帰を決断する。医師は、呆れたように語り掛けた。
医師:あなたねえ、野球なんてやってる場合じゃないんですよ。もう1回、同じ場所に当たったら死にます。ヘッドスライディングをしても、守備で打球に飛び込んでも、非常に危険です。死んでも、知りませんよ。
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水上:わかりました。でも、兆治さんの200勝の時には、僕が守っていなければいけないんです。
医師の忠告を振り切り、兆治が偉業に王手をかけていた4月30日の日本ハム戦(川崎)で復帰。入院生活のため、理髪店に行けなかった水上は長髪をなびかせて、グラウンドに現れた。マスコミはプロ野球選手に珍しいヘアスタイルに注目したが、背番号7は死と隣り合わせでプレーしていた。
「本気で『死んでもいい』と思っていました。なんとしても、兆治さんの200勝に立ち会いたい。その一心で、無我夢中でした」
復活後の“異変”
その日、兆治は右手中指の爪を剥がしてしまい、4回ノックアウト。記録達成は持ち越された。前年の途中からショートには佐藤健一が入り、水上はサードに回されていた。14年目のベテランは、健在ぶりをアピールしたかった。
「ボールへの恐怖心もあったはずなんですけど、不思議と向かっていけましたね。火事場の馬鹿力なんでしょうね。死ぬ気でやると、困難を乗り越えられる」
5月2日からの近鉄3連戦で12打数7安打、7日のダイエー戦では猛打賞に4打点と暴れまくった。そして、13日の日本ハム戦(山形)で村田が完投で200勝を達成。「2番・サード」でフル出場した水上は、グラウンドで兆治とガッチリ握手を交わした。
「本当にうれしかったですし、自分の誇りにもなった。ものすごく思い出深い出来事です」
水上は充実感に溢れていた。だが、これが野球人生最後の輝きとなってしまう。次の日の試合前、いつも通り打撃練習を始めると、己の異変に気が付いた。

