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「“うるせえ”と思っています」村上宗隆の通訳がじつは悔やんでいた“あの発言”の真意…楽天社員を辞めた32歳がムネに信頼される理由
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAmya Henley/MLB Photos via Getty Images
posted2026/09/07 11:05
オールスターのレッドカーペット・ショーで取材に応じる村上宗隆と通訳の八木賢造さん
オールスターブレイクの時点で50勝45敗という成績はもう“スモールサンプル”ではなく、十分な結果が出せているという思いが背景にあったのだろう。すでにさまざまな場所で同様の質問を受けており、“またか”という苛立ちもあったのかもしれない。ともあれ、この答えを聞いた八木通訳は間髪入れず、村上の本音を曲げることはなく、同時に“うるせえ”という言葉が誤解を受けない訳を即座に返してみせた。
「私たちは自分たちがアンダードッグだとはまったく思っていません。他のチームに対して、私たちの力を証明できると思っています。ただそれだけです」
通訳の仕事は単に選手が言ったことを翻訳すればいいというだけではなく、真意を汲み取った上でセンテンスを構成し直す必要がある。また、悪く取られないような言葉を見つける力も必須だろう。悪く取られれば軽く炎上してもおかしくはなかった“うるせえ”という言葉に大舞台で首尾よく対応したことで、八木通訳の冷静さに感心したファン、関係者は少なくなかったのではないか。
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もっとも、この時のやりとりを八木通訳自身に聞くと、少々意外なことにすぐに反省の弁が返ってきた。上記通り、村上という人間を知ってもらいたいという気持ちを持って仕事に取り組んでいる中で、ここでの返答は「少し守りに入ってしまった」という思いがあったという。
「ムネさんは“そんなに下に見るんじゃねえぞ”というか、“舐められたくない”、“同じレベルでやっているチームなんだ”という気持ちをすごく強く持っているんですよ。そういった意味も込めて言ったというのを考えると、もう少し口調を強くしても良かったのかなと。咄嗟のことだったんで、その時の最善の選択はできたのかなと思いつつも、どうしても反省する部分も残りますね……」
“拾われ方”が難しいSNS時代
確かに返答の中に“メディア、周囲の意見は関係ない”といった趣旨の文句を一言でも盛り込んでいれば、村上の思いの強さは表現されていたのかもしれない。たとえば『Leave us alone(黙っていてほしい)』『We don’t care about outside noise(周囲の雑音はどうでもいい)』といった強めの言葉を使えば、多少のカドは立つとしても、ホワイトソックスファンは今季の躍進のリーダーの反骨心に歓喜した可能性はある。
とはいえ、瞬時にそこまで判断するのは容易ではないし、本当にそれらの言い回しがいい方向に働いたのかどうかはわからない。
「注目度は高いですし、世間の目もあります。拾われ方がどうしても難しいですし、今はSNSとかもあるので、確証はないんですけど。いろんなご意見があると思うので、深く受け止めて改善しようと思っています(笑)」
実際にさまざまな見方があるとしても、このように冷静に振り返る度量があるからこそ、八木通訳は村上からも厚い信頼を勝ち得ているのだろう。


