- #1
- #2
大相撲PRESSBACK NUMBER
「サンドバッグからものすごい音」武蔵丸、小錦…名力士を支えた老舗ジムのトレーナーが語る“相撲と筋トレ”「安青錦だけが…」
text by

天羽李子Riko Amo
photograph byTadashi Hosoda/JIJI PRESS
posted2026/08/28 17:01
力士の強さの秘密を語る、安青錦担当トレーナーの渡辺航平さん(左)、稽古でトレーニングに励む安青錦(右)
上にいく人の共通点
「上にいく人に共通しているのは、自分から通い続けることですね。宝富士も引退するまで週2~3回は必ずここに来ていましたし、それ以外の日も家の近くのジムに通っていると言っていました。安青錦も最初は部屋の他の力士たちと一緒に来ていましたが、安青錦だけがずっと通い続けた。そうしたら、やっぱりどんどん上に上がっていきましたよね。関取になる前はほとんど毎日のように来て、僕が指導しない日も一人で黙々とやっていました。関取になって忙しくなってからも、時間を見つけて頻繫に通っています」
ただ通うだけではない。渡辺さんが安青錦を指導するなかで驚かされてきたのが、トレーニングに向き合う姿勢だ。
きつい方へ、きつい方へ
「安青錦から『無理です』とか『やりたくない』みたいな否定的な言葉を、一度も聞いたことがないんです。『これをやって』と言えば必ずやるし、手を抜くこともない。さらに、僕と話しながら『ここはもっとこうした方がいいんじゃないか』と自分から追求していく。楽な方ではなく、むしろ自分からきつい方へ、きつい方へと追い込んでいけるんです」
ADVERTISEMENT
鍛錬を続けること。そして、より厳しい方を自ら選び続けること。安青錦の華やかな強さの裏側にあるのは、そんな地道な積み重ねだった。
「安青錦はここに来ると、トレーニングを始める前にジムにいる人たちみんなに挨拶して回るんです。だから、サンプレイのお客さんたちはみんな応援したくなっちゃうんですよね。僕も大関昇進のパーティーに呼んでいただきましたが、入門前から見てきた安青錦がこうしてどんどん番付を上げていく姿を見られるのは、やっぱりトレーナー冥利に尽きますね」

