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「介錯してくれるのはコジしかいない」負傷、難病で立つのも困難に…天山広吉ラストマッチに小島聡と蝶野正洋の万感「ありがとうございました!」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2026/08/25 11:02
天山広吉の引退セレモニー。狼群団、nWoでともに戦った蝶野正洋の挨拶には万感が込められていた
「試合の終盤に頭を打って、意識が飛んでしまった部分もあるんです。気づいたら控室にいて、パッと目覚めて『あれ、試合は?』と周りに聞いたら、『もう終わったよ』と言われて愕然としましたね。VTRを見せてもらって、これはとんでもないことになってしまったなって。自分一人の戦いじゃないし、新日本を背負って戦ったのにあんな結末になってしまって……。ここまで落ち込むかっていうくらい落ち込みました」
「介錯してくれるのはコジしかいない」
2人のしのぎ合いは続く。3カ月後にリベンジを果たし、翌2006年のG1決勝でも勝利して3度目の優勝を成し遂げた。6年ぶりの対決となった2011年のG1では同ブロックに入り、雪崩式コジコジカッターを食らって「リングで倒れている自分を上から見た」という幽体離脱体験までしている。小島も眼窩底骨折で欠場に追い込まれるなど、行き過ぎた激闘といつも隣り合わせであった。
「試合の後に救急車が来て、別に俺呼んでないのにと思っていたらコジのほうでした。コジとは組むことも多かったけど、若いころガンガンやり合ってきた仲でもあるんでね。戦いの波長も合うし、コジとならいつもいい試合ができるっていうのは感覚としてありました」
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戦ったり、組んだり。2011年に小島が新日本に再入団する際も、対戦相手を務めた。詰まるところテンとコジは、離れられない運命にあった。
引退試合の相手は、小島しか考えられなかった。テンコジでタッグを組むことも頭をよぎったが、戦いたいという気持ちが圧倒的に上回った。
「最後はコジと戦って終わりたかった。介錯してくれるのはコジしかいないですよ」
5分1本勝負を無制限に。コジとの戦いに、時間の制限など必要なかった。心ゆくまで、限界まで体をぶつけ合いたかった。9分を超えて小島がフィニッシュのラリアットを躊躇したのは、これで終わりたくないとの思いがあったからに違いない。
天山がカウント1で返してきたことに、どこか小島は嬉しそうだった。限界に達した天山を、小島は敬意と愛情をその右腕に込めて3発目のラリアットで介錯した。

