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甲子園の風BACK NUMBER
「もう投げる場所がない」弱気発言の6日後…沖縄尚学・末吉良丞“まさかの復活”に密着「末吉を完璧に守った」比嘉公也監督がニンマリした“ある瞬間”
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松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph byTakarin Matsunaga
posted2026/07/25 17:01
沖縄県大会の準決勝と決勝に登板し、2年連続の甲子園を決めた沖縄尚学・末吉良丞。復活のウラには比嘉公也監督の深謀遠慮があった
エナジックの粘りも…やはり大トリは末吉だった
7月20日、決勝のエナジックスポーツ戦。
2年連続同カードの決勝は、エナジックの強力打線を沖縄尚学の投手陣がどう抑えるかが焦点となった。
休養十分の先発・久高が変化球と真っ直ぐの緩急で5回まで1失点に抑え、新垣にバトンを渡す。その新垣はストレートが走らないとわかるや、カーブとスライダーを中心に組み立てエナジック打線を翻弄する。
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4対1とリードして迎えた最終回、新垣は先頭打者の5番・照屋碧南にライトスタンドに運ばれるソロホームランを浴びた。ひとつアウトを奪った後、末吉が大歓声のなかマウンドに上がった。このときの心境を末吉は語る。
「キャッチボールしているときからずっとベクトルが自分に向いていたんで、(歓声は)気にせず上がりました」
中1日のマウンドでどんな投球を見せるのか気がかりだったが、その初球、147kmのストレートで球場の空気を掌握した。1ボール2ストライクと追い込み、インサイドのスライダーで三振。これで2アウト。末吉はこれでもかとブンブン腕を振り回す。もし痛みがあったらあれだけ腕を振り回せない。もう大丈夫だ。
だが、すんなりいかないのが夏の高校野球だ。ここからエナジックが粘りを見せ、3連打で4対3まで迫る。流れはエナジックにあった。
2死一、二塁。ヒットで同点、長打が出ればサヨナラの場面だ。末吉は出力を全開にし、ボール(146km)、ストライク(145km)、空振り(146km)、ファウル(143km)と力のある直球でエナジックの2番打者・武蔵渚を追い込む。124kmのスライダーがボールとなり、146kmの真っ直ぐをファウル。2ボール2ストライク。球場内のボルテージは最高潮。舞台はすべて整った。
球場にいるすべての人の視線が、マウンドにいる末吉の一挙手一投足に注がれている。
セットポジションから放たれた7球目は、インサイドへの124kmのスライダーだった。空振り三振。末吉が左手を掲げて吠えた。
この大会、沖縄尚学はサウスポーの久高が八面六臂の活躍を見せ、打線においても久田亜友斗や秋江駿斗といった日替わりヒーローも出現した。だが、やはり大トリは末吉良丞だった。

