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甲子園の風BACK NUMBER
甲子園優勝投手が“表舞台から消えた”…末吉良丞の“左肘重症説”は真実か? 比嘉公也監督が言った「投げるかはわかりません」沖縄尚学に現地で密着
posted2026/07/25 17:00
昨夏の甲子園を制した沖縄尚学のエース・末吉良丞。今春以降、故障のためマウンドから遠ざかっていた
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松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph by
Takarin Matsunaga
◆◆◆
うだるような暑さのなか、初球から衝撃が走った。
「147」の数字がスコアボードに表示された瞬間、琉球の熱波に包まれるセルラースタジアムのスタンドから歓声が地鳴りのように響き渡る。たった一球で球場全体が飲み込まれていく。続くボールも「146」が表示され、ストレートはコンスタントに145km以上が計測される。
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夏の沖縄大会決勝は沖縄尚学がリードして最終回を迎えていた。だが4対1からエナジックスポーツが2点を返し、なおも2死一、二塁で、長打が出ればサヨナラというシビれる場面。グラウンドにいる両軍、スタンドの観客のすべてが固唾を飲んで汗まみれになるなか、末吉良丞ひとりだけが、どこ吹く風という顔をしてマウンドに立っていた。
比嘉監督の苦言「(末吉と新垣の)2人に頼りすぎ」
昨年夏の甲子園優勝投手の末吉が表舞台から消えたのは今年の4月だった。
春のセンバツでは1回戦で帝京と当たり、力投むなしく接戦の末に3対4で敗れた。だが昨年秋以降不調だった末吉が、ある程度まで復調している姿を見せたことで関係者は胸をなでおろしていた。
その後、末吉は休む間もなく4月3日から5日に行われたU-18代表候補合宿に参加し、シートバッティングで8人の打者に対し4奪三振の快投を見せた。このまま完全復活に向かっていくのだと誰もが思った矢先のこと――沖縄に戻り練習でブルペンに入ったときだ。
力を入れて投げた瞬間に左肘から聞いたことのない異音が響き、力が入らなくなってしまった。
4月12日、春季大会優勝校のエナジックとセンバツ出場校の沖縄尚学が夏の第1シードをかけて戦うチャレンジマッチが行われた。沖縄尚学は“第3の男”と呼ばれていた田場典斗が先発し、大城諄来、饒平名麻貴人、津嘉山廉、そして最後は新垣有絃が締めくくって3対1で勝利。スタンドには末吉が投げると期待して多くの観客が集まっていた。
試合後、監督の比嘉公也は末吉に言及せず、いつもにもまして深いシワを眉間に作って話した。
「無駄なフォアボールが多すぎで、よく1失点で終わったっていう感じなので、“何のために練習してるの?”とピッチャー陣にはミーティングしようかなと思います。(末吉と新垣の)2人に頼りすぎてる学年でもあり、いつ怪我で投げられなくなるかもしれない。現状、ピッチャー陣に怪我が多いので、実戦経験を積む意味でも投げさせられたのは良かったです」


