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「バレーができなくなったら、私が働く」清水邦広を支えた“アナウンサー妻”…七菜さんが明かす夫の意外な素顔「初デートは、カウンターなのに1席空けて座った」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNana Shimizu
posted2026/07/17 11:06
2022年に結婚し、二人の子どもを授かった清水夫妻。妻・七菜さんが出会いを明かした
交際を申し込まれたのは、その数日後。「出会って1週間で付き合い始めたので、合わなかったら別れればいいと思っていた」と七菜さんは軽やかに笑うが、その後にコロナ禍が重なったことも2人の仲を深める後押しになった。
バレーボール選手である清水も、アナウンサーの七菜さんも感染対策には人一倍気を配っていた。私生活すら制限される中、清水の普段の食事が「弁当屋と定食屋のローテーション」であることを知った七菜さんは、思い切って提案した。
「だったら私が食事をつくるので、一緒にご飯食べません?」
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他に会う人もいなかったからと七菜さんは笑うが、互いに居心地も良く、自然な流れで一緒に暮らし始めた。
“ゴリ”の素顔「明日クビになるかも」
同棲生活がスタートすると、少しずつ清水の素顔を知ることになる。
大ケガを乗り越え、2019年に日本代表に復帰。“ゴリ”の愛称に違わず「絶対、東京オリンピックに行く!」と熱く語るような豪快な性格かと思いきや、清水の口からこぼれるのは、ネガティブな言葉ばかり。
「東京オリンピック、無理かもしれん。今日めっちゃ(膝の状態が)悪かったし、明日クビになるかも」
当初は、その一つ一つに「大丈夫だよ。今日はきっとうまくいく!」とポジティブなメッセージを返した七菜さんだったが、少しずつ清水の特性を見抜いていく。
「これ、キリがないな。この人はただ言いたいだけなんだって(笑)。だから、こう言ったんです。『バレーボールをしているあなたはカッコいいけど、していなくてもいい人なんだからいいじゃない。もしも、あなたがバレーボールをできなくなったとしても、私が働くから』って」
突き放すわけでも聞き流すでもなく、受け止め、最後はサラリと笑い飛ばす。そんな対応をしてくれる七菜さんは清水にピッタリあっていたのだろう。何より、どれだけ弱音を吐いても、目標を諦める気がさらさらないことも七菜さんがわかっていた。
そして、清水は目標としてきた東京五輪のコートに立った。出場機会こそ限られていたが、スパイクやブロックで貢献し、29年ぶりに準々決勝進出を果たした。
東京五輪という目標は達成したものの、有終の美とするのではなく、現役を続ける決断をした清水だったが、“爆弾”を抱える膝の状態は悪化する一方だった。コートや会場で見せて来た笑顔や言動からは想像もできない、壮絶な日常があった。〈つづき→第3回〉

