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「全く偉ぶることもなく」ダルビッシュ有が“左投げ”でもスゴいスイーパー、大谷翔平はマウンドの状態を…WBCアナリストが見た「世界の宝」の素顔
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/05/22 17:05
侍ジャパン活動期間中、サポート役が見たダルビッシュ有の気遣いとは
「侍ジャパンは東京ラウンドを勝ち抜いて、マイアミに移動しました。到着1日目はフロリダ国際大学のグラウンドで練習しましたが、2日目は試合のあるローンデポ・パークで練習をしました。投手はレフト側のブルペンで投げることになっていましたが、状態が今一つで、地面がベチャベチャして、これはよくないなということになって、チームは、球場に改善してほしいと要請しました。
練習3日目の時は投手がたくさん投げるので、僕がブルペンでレーダーを設置して準備をしていた。するとグラウンドでアップをしていた大谷翔平選手がやってきて、ブルペンのマウンドの土の状態を確かめていました。何回が軽くシャドーもしました。大谷選手に『どうですか?』と聞くと『まだちょっとネチネチしているから、もうちょっと乾燥している方がいいですね。まだちょっと投げづらいです』と言った。そこで『グラウンドキーパーに言って変えてもらいましょうか?』、『そうですね、お願いします』というやり取りがあって、僕はグランドキーパーの人に『もっと乾燥させてほしい』と言いに行きました。
でもよく考えたら、このシリーズ、大谷選手が投げる予定はないんですよね。大谷選手は自分じゃなくて、チームの投手陣のためにブルペンをチェックしていたんです。ダルビッシュ投手も大谷選手もスーパースターじゃないですか。なのにすごく気が回るし細かいことにも気が配れる。そしてチームの勝利を最優先に考えている。限られた条件の中で、自分ができることを最大限やろうとしている。純粋に人として素晴らしいな、と思いました」
ベスト8に終わった侍ジャパンだが、選手たちは着実に進化していた。ダルビッシュ有、大谷翔平はそれを心身両面でサポートしていたのだ。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

