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「全く偉ぶることもなく」ダルビッシュ有が“左投げ”でもスゴいスイーパー、大谷翔平はマウンドの状態を…WBCアナリストが見た「世界の宝」の素顔
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/05/22 17:05
侍ジャパン活動期間中、サポート役が見たダルビッシュ有の気遣いとは
「もちろん今回もみんな聞きに行っていましたよ。トレーニングやサプリのことなども聞いていましたが、それに加えて今回は、トラックマンで出た数字、ハイスピードカメラの映像など、そういうレベルでダルビッシュ選手とディスカッションができるようになっていました。日本の投手たちの理解も深まっているので議論ができていました。例えばタブレットに表示される変化量を見ながらあれこれ議論するというのは、以前はなかなかできていなかった。それだけ代表に選ばれた選手の意識や知識が上がっていたということになります。ダルビッシュ選手は分け隔てなく、みんなに親切に接していました。侍ジャパンには当然ながら投手コーチがいますが、コーチの方々の立場も理解して迷惑が掛からないように振舞っていました。
話が逸れますがダルビッシュ選手は、実は宮崎のブルペンで投げています。もちろん右腕は手術した後ですから使えない。左投げで。僕らは練習前に毎日トラックマンの稼働テストをしていたのですが、ある日『星川さん、僕、テスト用に投げていいですか?』と。左投げでめちゃくちゃ曲がるすごいスイーパーを投げていて、もうワケがわからなかったです(笑)」
会った人はみんなダルビッシュファンになりますよ
――マイアミにも来ていたとはいえ、実質的にはほぼ宮崎キャンプだけの参加となりましたが、ダルビッシュ選手と接して、日本の投手は収穫があったということですね。
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「選手たちには大きな収穫となったはずです。それに選手としてだけでなく人間性としてとても勉強になったのではないでしょうか。あのような振る舞いができる一流選手を見たら誰でも襟を正したくなると思います。一般人の僕に対してもそうですしダルビッシュ選手は、すべての人に同じ姿勢で接しているんですね。それが『素』なんだと思います。だから彼と会った人はみんなダルビッシュファンになりますよ」
――ダルビッシュ選手は37歳になる2023年にパドレスと6年総額1億800万ドルの大型契約を結びました。昨年は右ひじの炎症で15試合の登板にとどまり、今年そうそうに右肘靭帯再建手術を受け、今季は全休が決まりました。それでもチームは契約を見直さず、チームに同行してアドバイスしてほしいと言ったとされます。
「パドレスとしたら、ダルビッシュ選手を外に出したくないのだと思います。世界の野球界の宝だと思います。今回のWBCで僕はダルビッシュ選手の『人となり』に、改めて感銘を受けました。僕自身とても勉強をさせていただきました」
“投手登板のない”大谷が米国で見せた配慮とは
星川氏によれば、大谷翔平も、侍ジャパンの投手陣に対して、細やかな配慮を見せたという。

