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号泣する木原龍一に「泣かないで」笑顔の三浦璃来と何度も見つめ合い…「お互いがお互いのために…」引退会見で最後まで見えた、りくりゅうらしさ
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2026/04/29 17:02
引退会見冒頭、号泣する木原龍一に笑顔で声をかける三浦璃来
「私と組んでくれてありがとう」三浦が木原に伝えた日
お互いにかける言葉は? と尋ねられ、三浦は答える。
「団体戦の団扇で皆がお互いメッセージを書いていて、私から木原さんへの思いがあふれすぎて、書いてる時も泣きながら書いてたんですけど、そのときに書いたメッセージは『私と組んでくれてありがとう。今が一番最強だよ。自分の積み重ねてきたものを信じてやれば大丈夫。私たちりくりゅうらしく笑顔でやりきろう』。木原さんと組んだ7年間はもうアスリートとしてだけじゃなくて、一人の人間としても成長することができた。この7年間っていうのはかけがえのない時間だったなっていうふうに思ってます」
木原はこう語る。
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「2019年に本当に璃来ちゃんの方からお話をいただいて、正直、たぶん、声を掛けていただけなかったら僕は引退してたと思うんです。本当に声を掛けてくれたことに心から感謝してますし、璃来ちゃんとじゃなければ僕たちはここまで来れなかったと思います。もう今、感謝しかないです。やっぱり本当に最高のパートナーに出会えたことに心から感謝してます」
お互いに尊敬し信頼できるパートナーに出会えたことへの感謝が2人の言葉にあった。
「お互いがお互いのために努力し合って…」
現役生活を表現する言葉が一致していたのも、この2人ならではであった。
「『努力』かなっていうふうに思います。お互いがペアを始めて、それまでの道のりでの努力であったり、そういったものがなければ私たちはペアを結成することもなかったので。ペアを結成してからも、お互いがお互いのために努力し合えるそういった仲になったので、つらいことも二人で乗り越えてきたのかなって思います。それが、オリンピックで金メダルまで取ることができたのかなっていうふうに思うので、私は『努力』かなって思っています」(三浦)
「僕も同じになってしまうんですけど、『努力』かなって思います。お互いが努力している姿っていうのは見てきましたし、お互い見せてない部分もあったかもしれないんですけど、本当に一生懸命そのやってきた姿っていうのは分かってるので。それがなければ今の自分たちっていうのは、ここに座っていることはできなかったと思います。本当に『努力』の一言かなっていう風に思います。能力的には本当にもっともっと素晴らしい方っていうのはたくさんいらっしゃると思うんですけど、その中でも自分たちは同じことをやり続ける、ちゃんと自分たちでメニューを決めて、それを継続してやり続けることができる能力が本当に優れていたのかなっていうふうに思います」(木原)
2人の言葉には、最上のパートナーシップを築けた要因があり、そして木原の言葉には、2人が世界の頂点に立つことができた理由も刻まれていた。

