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甲子園の風BACK NUMBER
“194cm102kg”プロ注目二刀流・菰田陽生17歳がセンバツで手首骨折の山梨学院…じつは「チャンス」でもある? 監督が語った「夏への課題」
text by

間淳Jun Aida
photograph byJIJI PRESS
posted2026/04/11 17:01
投打の中心である菰田陽生がセンバツ中に負傷した山梨学院。どのような戦いを見せていたか
「持っている力を練習試合でも、地区予選でも、甲子園の大舞台でも出し切れる。高校生で力まずに投げるのは、なかなかできることではありません。甲子園に来て、木田への信頼は一層厚くなりました」
指揮官は大会前、チームの最大の武器に「投手層の厚さ」を挙げていた。菰田と檜垣が不在でも、渡部と木田が期待に応えた形だ。木田も自信を深めた。
「3試合とも僅差で得点圏に走者がいる場面でのマウンドでしたが、落ち着いて投げられました。変化球を低めに集める自分の投球ができたと思います。菰田と檜垣の2人がいない分、自分がやらないといけない気持ちが強くなりました。2人がいてもいなくてもリリーフする準備はしていたので、不安はなかったです」
校歌を何度も歌うためには…
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山梨学院は打撃面でも、積極的に仕掛けて相手に圧力をかけるスタイルを甲子園でも貫いた。専大松戸戦でも初回に一、三塁からダブルスチールでホームを狙い、6回はエンドランを成功させて一、三塁にチャンスを広げた。相手バッテリーに動くと警戒させて、四球を奪う場面もあった。
菰田を欠いた大垣日大戦では打線が気負って空回りし、5回まで無得点と苦しんだ。それでも、終盤はリズムを取り戻して試合をひっくり返した。吉田監督は「ミスをしても、上手くいかなくても、選手たちは前向きに気持ちを切り替えてプレーできた部分がありました」と振り返った。
ただ、菰田が抜けた穴は小さくなかった。長崎日大戦の第一打席で本塁打を放つなど、194センチ102キロの雄大な体格を持つ菰田は、一振りで局面を打開したり、走者を還したりする役割を担う。その主砲が抜けた打線は迫力と得点力を欠いた。
専大松戸戦では5回を除いて毎回走者を出し、何度も得点圏まで進めた。それでも、ホームベースが遠かった。
エンドラン、盗塁、スクイズを仕掛ける回数は多かったが、精度に課題を残した。吉田監督が語る。
「練習したことをトライしましたが、結果に上手く結びつかなかった。甲子園という場所は今も昔もスクイズが非常に有効な作戦だと思っています。校歌を何度も歌うためには、盗塁のスタートやバントなど、スランプのない要素の精度を上げていかなければいけません」
ベスト8にいけたのは、半分自信に
投打で絶対的な存在の菰田と、左腕エースの檜垣を欠いた中でのベスト8入り。指揮官は「収穫と夏につなげるべき課題、どちらも感じられた大会」と総括した。

