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WBCベネズエラに新事実…じつは拒否していたメジャー球団「ウチの投手を投げさせないで…」決勝日の早朝に“電話で直接交渉”、見えた日本との差
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byNanae Suzuki
posted2026/04/08 06:00
WBC優勝のベネズエラに新事実。投手起用の壁をどう解消したのか
日本を倒した2日後の3月16日に今度は準決勝でイタリアを4-2で倒して決勝進出を決めたチームは、翌17日に連戦で決勝に臨むことになった。米国が決勝まで1日空いていたのとは違いタイトな日程だったが、ロペス監督ら首脳陣は、夜11時近くに終わった準決勝の試合後すぐ、米国攻略の分析会議に取りかかったという。
「分析会議は午前3時まで続いた。敵の米国代表選手1人残らず、きわめて細かな部分まで気を配り、徹底的に緻密な分析を行った」
同監督はそう明かしたと、中南米の野球専門メディア「Al Bat」が伝えている。その分析は実際の試合で大いに効果を発揮し、3-2のロースコアの接戦を制する結果につながった。
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3回に単打と四球、暴投の間の進塁と犠飛で1点を先制し、5回にソロ本塁打で1点を追加。8回にブライス・ハーパー(フィリーズ)の2ラン本塁打で同点に追いつかれたが、9回先頭で打席に入った首位打者3度獲得の3番ルイス・アラエス(ジャイアンツ)が、交代したばかりの救援右腕ギャレット・ウィットロック(レッドソックス)から四球を選んで出塁し、代走のハビエル・サノハ(マーリンズ)が二盗に成功。次の4番ユジニオ・スアレス(レッズ)が中二塁打で1点を勝ち越し、抑えのダニエル・パレンシア(カブス)が9回裏を3人でピシャリと抑え終始緊迫したぎりぎりの攻防を制した。
アメリカを上回った“準備”
「コーチ陣と選手たち全員が良く理解し、戦ってくれた。ただ単に戦うのではなく、敵がこのような場面でどうするかをあらかじめ読み、常に優位な試合運びができた」
ロペス監督は、そう振り返っている。緻密な分析とゲームプランによって、選手はあらゆる場面で自分がやるべきことを完璧に理解していた。それが勝敗を分けたと、同監督は言う。スター選手をそろえ、選手個々の能力に頼るだけではだめ。緻密な情報収集とデータ分析で、相手を出し抜くことが必要だ。

