- #1
- #2
侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
WBC「左投手問題に要注意」昨季ポストシーズンでの“大谷翔平封じ”再現を防げ…NHK解説者が読み解く侍ジャパンの課題「近藤健介の不調のわけは」
text by

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/03/13 11:07
アメリカラウンドに進出した侍ジャパンだが、準々決勝で対戦するベネズエラをはじめ各国が「大谷封じ」を狙ってくるはずと小早川氏は読む
近藤健介にヒットが出なかった理由は?
本来近藤選手は、バットの軌道が内から出てくる打者です。ですのでインサイドのボールでもセンターから左方向にも広角に打てます。ショートの頭を越えたり、三遊間を破ったりという打撃も自由自在なのが持ち味です。ところが今はやや体の開きが早くて、タメができていません。思うようにバットが内から出てきていない感覚があって、引っかけて一塁側へのゴロになっている場面が目につくんです。
これ、先ほどの大谷選手の初戦初球ツーベースの後の第1打席を思い出しますと、ここで近藤選手は一塁ゴロの進塁打を打っているんですね。大谷選手の後というある種のプレッシャー、初戦の力み、そのなかでも進塁打を打つという責任感で、引っ張ってゴロを打ちにいった。そこからちょっと形が崩れてしまったのかなと。
大谷ジャパンの号砲を鳴らすような、大谷選手のツーベースは素晴らしかったんですが、そのシチュエーションで大会最初の打席を迎えたことが、近藤選手にとっては逆に少し運が悪かったのかもしれません。近藤選手ほどの選手であっても意識してしまう、それだけ大きな舞台だということなんでしょうね。ただ、彼は日本最高峰の打撃技術を持つ選手です。それほど心配しなくても、準々決勝・決勝ラウンドでは必ず力を見せてくれるはずです。
「全員野球」の教訓
ADVERTISEMENT
その準々決勝・決勝ラウンドに向けては、好調のMLB組の活躍、近藤選手の復活はもちろんとして、選手全員の力が必要になってくるでしょう。それを痛感させられたのが1次ラウンドのオーストラリア対韓国戦だったと思うんです。2勝2敗で3チームが並んで失点数で争うことが濃厚になった9回に、オーストラリアは最後の最後でショートが送球をミスしてランナーを進めてしまったことが、最後の1点を韓国に奪われる決定的な要因になりました。
こうしたミスを防いでいく、投手陣はもちろん、野手がディフェンス面でもしっかりと失点を少なくしていくことがやはり重要だという学びにもなったんじゃないでしょうか。
本来こうした細かい守りの安定感は、日本野球の「らしさ」ですが、今大会の日本代表は強力打線の破壊力が前面に出たチームでもあります。特に外野は近藤選手、鈴木誠也選手、吉田正尚選手と、所属チームでは指名打者起用も多い選手が並ぶラインナップになる場面も多くなります。そこは攻撃力と守備力のどちらを優先していくかという難しい采配になってくるでしょう。

