魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER

「大の里は“腰が高い”」元大関・魁皇が苦言…横綱“まさかの3連敗”、波乱の初場所を検証する「安青錦の綱取り、早すぎ?」賛否にも独自見解 

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浅香山博之

浅香山博之Hiroyuki Asakayama

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posted2026/01/31 17:00

「大の里は“腰が高い”」元大関・魁皇が苦言…横綱“まさかの3連敗”、波乱の初場所を検証する「安青錦の綱取り、早すぎ?」賛否にも独自見解<Number Web> photograph by JIJI PRESS

初場所8日目、横綱大の里は押し出しで伯乃富士に敗れる。天覧相撲で2横綱、2大関が全て敗れる波乱となった

 安青錦が考えて考えて当たっていき、食いついていこうとの思いがあっても、それをはね返す力が大の里にはある。そこに関しては安青錦の力不足ですが、もともと基礎を徹底的にやっているし、稽古の番数がちょっと少ないのかなぁ。ここはさらにしっかりと稽古して、自分の体で相手の圧力を感じて、そこにどう対応していくかを考えなきゃいけないところです。でも、安青錦に関しては厳しくいうこともないですよ。実際、悪い相撲がまったくないんですから。あんなに低く当たって前に出る、相手に起こされない相撲。素晴らしいですよ! ここ一番の相撲にも強いしね。あえて言えば、安青錦は逆に自分が下から起こされたり差されたりした時に、ちょっともろいところがあるのかな。大の里戦対策はこれからでしょう。まだこの世界に入って2年でしょ? この地位にいてそれだけの相撲が取れるって、普通じゃ考えられないですよ。

 来場所は綱取りの場所になるようですが、連続優勝できちんと結果を出していますし、早いとか遅いとかの問題じゃないでしょう。最近でいえば豊昇龍の昇進の際に賛否があり、逆に過去には貴乃花さんの昇進が見送られたり、厳し過ぎると言われた時代もあったものです。もちろん昇進基準を満たす結果ありきの上で、相撲内容がどうこうとか、「もう一場所見ましょう」などと議論も沸くものです。その時代その時代で見方や流れも変わるものですから。自分も今だったら1回くらい横綱になれていたかもしれないですね(笑)。

今場所を沸かせた“3力士”

 優勝決定戦で敗れた熱海富士。今場所は前に出るいい相撲が多くて、決定戦も負けはしたものの前に攻めて、低い安青錦を起こして前に出ていました。熱海富士は、以前は勢いだけで上がって来て注目され、「このまま行くんじゃないか?」と期待されていたけれど、ここのところちょっと低迷していました。今回だけじゃなく、これを今後も維持できればいいですね。師匠や周囲も歯がゆかったんじゃないですか? 先代師匠も当代の伊勢ヶ濱親方も、解説席で結構~苦言を呈していたことがありますものね(笑)。でも、力をつけてここまで来たということ。厳しい言葉を受けて、それに負けない、見返してやるってくらいの気概がなきゃいけないわけですが、ホント、熱海富士は優しくていい子なんだよなぁ。ここんとこ更に体が大きくなっているし、決定戦で負けた悔しさを忘れずに、次の大阪場所に臨んでほしいものです。

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 W金星で土俵を沸かせた義ノ富士。彼も当たって前に出る相撲で、尚且つ相撲が巧いんです。まだまだ成長していくと思うし、一場所ごとにどんどん力を付けていく存在です。

 元大関の霧島も、今場所はよかったですね。当たって起こして中に入って、一気に攻める。霧島は、つかみどころがないっちゃあないんだけれど、うまいこと相撲を取って気が付いたらいい形になっている。安青錦戦などで顕著でしたが、下から下から攻めて先に自分の形になっているんです。

「横綱も大関も基本を忘れちゃいけない」

 今場所よかったお相撲さんたちは、基本、みんながみんな前に出て勝っているんです。星が上がらなかった力士たちは、引いたり後ろに下がってしまったり、前になかなか出られない相撲。

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