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「日本から大相撲がなくなってしまうのでは…」危機感から始まった白鵬杯…15年の歴史に詰まった大横綱・白鵬の情熱「いずれ相撲をオリンピック競技に」 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byNanae Suzuki

posted2026/01/21 11:00

「日本から大相撲がなくなってしまうのでは…」危機感から始まった白鵬杯…15年の歴史に詰まった大横綱・白鵬の情熱「いずれ相撲をオリンピック競技に」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

「もともと、白鵬杯を毎年2月に開催するのは、中学生の大会がすべて秋までに終わってしまい、そのまま卒業するのは寂しいのではないかと思ったからです。中学3年生が最後に出られるのが白鵬杯で、ひとつの区切りの大会となってもいったようです。それと、お兄ちゃんに付いてきた女の子たちから、『私も相撲を取りたい』との声が上がり始めました。でも、国技館の土俵には女子が上がれない。それにどう応えてあげるようかと考えたあげく、2024年に女子だけの大会を開きました。今年は正式に白鵬杯で女子の部も設けることになりました」

2カ月で10カ国の相撲を見学

 昨年6月に相撲協会を退職後は、『白鵬ダヤン相撲&スポーツ株式会社』を立ち上げ、代表取締役社長となった。改めていろいろな発見があったという。

「相撲は古くからの神事でスポーツでもあります。世界196カ国のうち87の国でその国ならではの相撲があるのがわかりました。今まで知らなかったんですよ。一つ屋根の下で一堂に会して相撲大会をしたい。テニスやゴルフには四大大会がありますが、相撲の場合は圧倒的に国際大会が少ないんです。まずはアマチュアの『世界選手権大会』があり、準オリンピックとして『ワールドゲームズ』という大会もある。キルギスでは『ワールド・ノマド・ゲームズ』という中央アジア最大のスポーツイベントが2年に一度、開かれています。実は、私はこのイベントの初代アンバサダーになったんですよ」

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 近々2カ月のあいだで、カザフスタン、キルギス、エストニア、スペイン、韓国、タイなど10カ国もの世界の相撲を見に海を渡ったのだという。

「国際相撲連盟加盟国84のうち、世界大会に参加しているのは33カ国だけ。五輪種目に相撲がないから、国によって力の入れようが違うんですね。国際大会が増え、出場するなかで、各国の選手たちの実力も上がるはずです。実際、現在の大相撲界でもアマチュア相撲出身の大の里が2年余りで横綱になり、ウクライナ出身の安青錦も3年で大関になりました。アマチュアとプロの差がなくなってきているとも言えるんです。今、日本の大相撲人気はあるけれど、その一方で入門者はどんどん減っていますから……。プロとアマチュアの相撲の両方を知る人間として、日本ならではの大相撲を、今は外から応援したい気持ちも大きいんです」

【次ページ】 「いずれ相撲をオリンピック競技にしたい」

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