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「金属音のような打球音が5階席まで」大谷翔平衝撃のHRからドジャースがレッズ撃破も…現地のNHK解説者が「挑戦者の気持ちが必要」と見る理由
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/10/03 17:01
ワイルドカードシリーズ、レッズ戦の第1戦の初回にいきなり100マイルの豪速球をホームランした大谷。衝撃音が球場に響いたという
これで喜んだのが、山本投手だったと思うんです。やっぱりピッチャーは、点を取られたくはないですよ。ダブルプレーで同点止まりを目指そう、というのはわかっちゃいるけど、でも1点も取られないならそのほうがいい。明らかにこれで山本投手は力が湧いたと思います。5番のサル・スチュワート選手、6番のデラクルーズ選手を連続三振させるという気迫の投球で、結果的に無死満塁をゼロに抑えたんですから。まさに頼りになる、エースの投球でした。
「7、8、9」の呪い?
そんな山本投手が7回途中113球と今シーズン最多の球数で力投したあとに、やっぱり前日に続いて、ブルペンがどたばたしてしまいました。これ、デーブ・ロバーツ監督の継投の人選とか順番とか、いろいろ言われてもいますけれども、まあそれは監督の采配ですからどうこう言うことでもないと思うんです。ともかく、7、8、9回を担当するピッチャーのグループ全体が自信を失っているようで、ストライクが入らない。もうなんだか7、8、9の呪いというか(笑)、送り出されるピッチャーがみんな自信喪失状態に見える。
そこで、前編でお話しした佐々木朗希投手ですよ。9回の登場であれだけの雰囲気を作れる、呪いに対抗できる救世主というわけです。もちろん、本来先発投手ですし、故障明けで連投も難しいでしょうから、登板日は慎重に相談していくことになるでしょうが、ブルペンの雰囲気を変える好投を期待してしまいますね。
フィリーズには挑戦者の気持ちで
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さてこのあとはあっという間に地区優勝シリーズで、フィラデルフィア・フィリーズ戦。私も引き続きアメリカで解説予定です。もちろんドジャースはディフェンディングチャンピオンで、ワールドシリーズ2連覇が目標ではありますが、そうは言っても勝率ではフィリーズが上回って上位シードなわけです。MVP2度のブライス・ハーパー選手、今季本塁打王のカイル・シュワーバー選手をはじめとするスター軍団でもあります。今季は挑戦者として闘志を前面に出して当たっていく、ここからのドジャースにはそんな戦いが求められるのではないでしょうか。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

