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阪神・藤川球児監督が“CS不要論”に待った「絶対にやった方がいい」岡田彰布と正反対…なぜ? じつは強調していた「我々がリーグチャンピオンです」

posted2025/10/03 11:31

 
阪神・藤川球児監督が“CS不要論”に待った「絶対にやった方がいい」岡田彰布と正反対…なぜ? じつは強調していた「我々がリーグチャンピオンです」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

プロ野球史上最速の9月7日に優勝を決めた阪神タイガースの藤川球児監督。それでも“CS不要論”には反対の立場をとる

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内匠宏幸

内匠宏幸Hiroyuki Takumi

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Hideki Sugiyama

今季、圧倒的な強さでセ・リーグを制した阪神タイガース。2位以下を大きく引き離しての優勝だけに、岡田彰布前監督をはじめ球界の有識者からもクライマックスシリーズ(CS)制度への疑問が噴出するなか、当事者の藤川球児監督は“CS不要論”を一蹴した。「絶対にやった方がいい」「ファンの方が一番喜べる機会を作り出すのが大事」――藤川監督率いる阪神はどのようにCSと向き合い、乗り越えようとしているのか。その思惑を読み解いていく。(全2回の2回目/前編へ)

CS擁護も…じつは強調していた「我々がチャンピオン」

 岡田彰布とは対照的というか、正反対のスタンスを崩さないのが藤川球児である。「CSはやった方がいい」とはっきりと宣言している。球界の盛り上がり、なにより「ファンのために」ということを重要視する藤川らしい姿勢だが、それでもCSは「別物」と位置付けている。

 あくまで重みがあるのはペナントレースの結果。143試合を戦った上での「優勝」こそ、消えることのない価値である――その考えの一端は、9月7日、史上最速で優勝を決めたあとのインタビューで示していた。

「選手たちが強いわ」の第一声で始まったインタビューの終わり頃、45歳の監督は一段と声を高くして言い切った。「我々がリーグチャンピオンです」。藤川はこれを言いたかったのだ。それほど、阪神の強さが光った2025年シーズンだった。交流戦で7連敗した時だけが唯一のピンチで、それ以外はライバルを圧倒し続けた。まさにチャンピオンの称号にふさわしい戦いだった。

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 チャンピオンとしてCSも自信満々で臨むが、もしも敗れたら……。“火の玉ストレート”で知られた藤川の、意外なほど戦略家な一面が垣間見える。CSに敗れても、チャンピオンは自分たちだ。それをあらかじめ言明したのは、最悪のケースへの予防線、という見方をする関係者もいる。

 もちろん負ける気などサラサラないだろう。これで負けたら洒落にならないこともわかっている。CSがあくまで別物であっても「そこに向かって進んでいくだけ」と対応策を模索している。

【次ページ】 番記者が見た“藤川監督が神経を尖らせた瞬間”

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