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偏差値77、東大合格者数は44年連続日本一…“あの”超進学校がナゼ競泳メドレーリレーでインターハイに出場できた?「奇跡のカルテット」結成秘話
posted2025/09/14 11:04
今夏のインターハイに競泳メドレーリレーで出場した「あの超進学校」の4人のスイマーたち。「奇跡のカルテット」はなぜ揃ったのか
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
BUNGEISHUNJU
「開成、ヤバくない?」
2025年7月下旬、埼玉県で行われた高校競泳の関東大会で、ちょっとした「事件」が起きた。特筆すべき記録でもトラブルでもない。騒動の震源は、日本で最も多い東大合格者を輩出する全国トップ進学校の開成が、同校史上初となるメドレーリレーでのインターハイ出場を決めたことだった。
「いやもう本当に……奇跡が起きたなという感じで。別に関東大会、インターハイを目指しているような部活ではないですから」
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同校水泳部顧問の吉野修司はそう苦笑する。関東大会に来ていたのは吉野以外に出場選手4人だけ。レース後、スタンドには吉野しか残っておらず、彼は一人で小さくガッツポーズを作っていた。
ことの発端は4年半前の2021年に遡る。現在高校2年生になる滝沢知哉と岡本悠という2人が開成中に入学してきたことだった。彼らはともに小学校時代にジュニアオリンピックで全国大会に出場した経験があった。
「自由形とバタフライをやっていて、ギリギリで全国に行けるかどうかくらいのレベルでした。でも、泳ぐのはずっと好きで、スイミングの練習も受験直前まで行っていたんです」と岡本は当時を振り返る。
一方の滝沢は「5年生の時、コロナ禍のタイミングで全国大会がなくなってしまって。そこでモチベーションがなくなって、競泳は辞めてしまっていた」と語る。しかし開成入学後、「いい意味ですごく自由な校風で。こういう環境の中でうまく競泳と勉強を両立できたら、むしろ自分は伸びるだろうな」と思い、競泳に復帰したという。
そんな2人に続き、さらに平泳ぎの中出恵資が加わり、開成高には自由形、バタフライ、平泳ぎとメドレーリレーに必要な3種目の選手が揃うことになった。だが、だからといって都合よくそこに背泳ぎの強者が現れるような学校ではないことは3人ともに理解していた。そのため「リレーで全国」など到底、意識することはなかったという。
ところがそこに「まさかのラストピース」がハマることになるのだが――彼らの挑戦の詳細は、本編で詳しく描かれている。
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
