「I miss Ran」男子バレー高橋藍への熱い友情と尊敬…ブラジル代表カチョパが語る「また一緒にプレーしたいよ」が“お世辞”ではない理由 

　カチョパも高橋のことが大好きだ。23-24シーズンにモンツァで取材した際、こう熱く語っていた。

「彼は本当にナイスガイで、信じられないぐらい素晴らしいプレーヤー。彼はいつも穏やかで、我慢強く、常に僕たちをヘルプしようとしてくれる。テクニックに優れ、強さもある。僕にとっては彼とプレーするのは簡単なんだ。彼は速いトスを打つのが好きだし、僕が悪いトスを上げてしまった時も、カバーする方法をたくさん持っているから」

　東京五輪などに出場し、既にブラジル代表セッターとして実績と評価を高めていたカチョパが、高橋をリスペクトするのが伝わってきた。

モンツァ時代に一緒にプレーした高橋藍とカチョパ（14番）©︎Takahisa Hirano

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　その年のモンツァはプレーオフを勝ち上がり、チーム初の決勝進出を果たした。プレーオフでは、セット終盤の勝負所でカチョパが高橋にトスを託し、高橋が決め切る場面が多く見られた。

　昨年6月のVNLの際、カチョパは勝負所でトスを託した理由をこう語っていた。

「ランはいつも準備できているし、何より、彼はそういう瞬間が好きなんだと感じる。ランを信頼しているから、試合のラストポイントでは彼にボールをセットした。試合をするごとに信頼はどんどん増して、特に（準々決勝の）ルーベ戦で彼は素晴らしかったし、（準決勝の）トレンティーノに対してはアメージングだった」

再び一緒にプレーしたいと願うカチョパ

　昨季（24-25シーズン）、高橋がイタリアを離れ、サントリーサンバーズ大阪に移籍したことについては、「もう1シーズン彼とプレーしたかったから悲しい」と未練をあらわにしながらも、「母国に帰って、母国の人たちのためにプレーするということも、彼の人生にとって素晴らしいこと」と理解を示していた。

　だが昨季、モンツァは高橋の他にも主力選手が多数抜け、新たに補強した選手は怪我などで揃わず、12チーム中11位に沈んだ。

　今年3月にイタリアで取材した際、本来は陽気なカチョパが、顔に疲労の色をにじませて言った。

「I miss Ran so much.（ランが恋しいよ）」

　今季ミラノに移籍することがすでに決まっており、チームメイトとなる大塚達宣とプレーすることを心待ちにしていた。と同時に、ミラノには高橋の獲得も進言していた。だが高橋は25-26シーズンもサントリーと契約を更新済み。

今年3月のイタリア取材で自ら高橋藍に向けてきゅんポーズをする陽気なカチョパ（筆者撮影）

「来シーズンも彼が日本でプレーするのは知ってるよ。でも、将来いつかまた……。彼が僕のいるチームに来てくれるようトライするよ」と笑っていた。

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