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「人数が少ない分、たくさん練習できる」“レゲエ校歌”で話題も…廃校寸前だった高校野球部のリスタート「学校唯一の2年生」は強豪校からの転校生?

posted2025/07/18 17:01

 
「人数が少ない分、たくさん練習できる」“レゲエ校歌”で話題も…廃校寸前だった高校野球部のリスタート「学校唯一の2年生」は強豪校からの転校生?<Number Web> photograph by Fumi Sawai

和歌山南陵高で唯一の2年生となる佐藤尋斗。県外の甲子園常連校からの転校生で、今大会は規定により出場はできなかった

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 昨夏、3年生10人だけの野球部で「レゲエ校歌」も話題になった和歌山南陵高校。同校では教職員への給与未払いなどが相次ぎ、2022年に学校法人側が行政から生徒募集停止の措置命令を受けた。その影響で過去2年間は生徒募集ができず、昨年の在校生は3年生のみだったが、今年からようやく新入生が入学。野球部も今春から活動を再開し、和歌山大会へと戻ってきた。合同チームながら確かな一歩を刻んだ、同校のいまをレポートする。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 昨年まで部長を務め、今年4月に監督に就任した小林祐哉は言う。

「(募集停止の)措置命令が出ている段階では、こちらは(有望な選手などに)声を掛けることはできないんです。でも、6人も1年生が入ってきてくれたのは、再建途中のチームですから『(今後が)楽しみなので』というのと『試合に確実に出られる』という理由から決めてくれたようです」

チームには「学校唯一の2年生」も…!

 6人は大阪、兵庫と県外の選手ばかりだが、いずれの選手も「南陵でまた野球ができるようになるのなら」と志してくれた生徒ばかりだという。さらにチームには“新2年生”もいる。一昨年まで某強豪私学の野球部に所属していた佐藤尋斗だ。

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 一昨夏、2、3年生だけの計18人のチームで県4強まで勝ち進んだ和歌山南陵の躍動を知り、転校を決意したという。

【次ページ】 授業は教諭とのマンツーマン

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