甲子園の風BACK NUMBER

「人数が少ない分、たくさん練習できる」“レゲエ校歌”で話題も…廃校寸前だった高校野球部のリスタート「学校唯一の2年生」は強豪校からの転校生? 

text by

沢井史

沢井史Fumi Sawai

PROFILE

photograph byFumi Sawai

posted2025/07/18 17:01

「人数が少ない分、たくさん練習できる」“レゲエ校歌”で話題も…廃校寸前だった高校野球部のリスタート「学校唯一の2年生」は強豪校からの転校生?<Number Web> photograph by Fumi Sawai

和歌山南陵高で唯一の2年生となる佐藤尋斗。県外の甲子園常連校からの転校生で、今大会は規定により出場はできなかった

 前の学校では早くから試合に出場するなどチーム内でも有望株だったが、大所帯のチーム内で埋もれ気味のような立場でもあった。

「転校後1年間は公式戦に出場できない」という高野連の規定で今大会は選手としての出場は叶わなかった。だが、毎日の練習でも率先して声を出すなど盛り上げ役としてチームの中心的存在でもある。この日は試合前ノックの補助、ボールボーイとしてチームのサポートに徹した。

授業は教諭とのマンツーマン

 和歌山南陵では全校生徒で2年生は佐藤1人だけだ。そのため授業も教諭とのマンツーマンで行われているという。

ADVERTISEMENT

 小林監督は佐藤についてこう明かす。

「1年生6人のお兄ちゃん的な存在で、何かあれば佐藤が1年生を守ってくれるんです。チームは佐藤を中心に作っている感じで、キャプテンでもあります。今日の試合は出られませんが、夏の大会の雰囲気をグラウンドで味わいたいという思いがあったようで、良い経験になるのではと思いました」

 佐藤も自身の立場についてこう明かしてくれた。

「人数が少ない分、自分たちはたくさん練習できるという思いでやっています。今はできることを全力でしっかりとやるだけ。勝てるチームになろうと常に言い合っています」

【次ページ】 全国常連校相手に…「常に“圧”を感じた」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#和歌山南陵高校
#智弁和歌山高校

高校野球の前後の記事

ページトップ