井上尚弥の“粋なサプライズ”に感激…カルデナスが明かす後日談「じつはサイン入りだったんだ」人生を変えた激戦「宝物として保存しておくよ」

ストップの瞬間「君はここまでだ…と言われた」

――8回に井上の連打を浴び、レフェリーが試合をストップ。その瞬間、あなたは不満そうな様子を見せました。改めてあのストップをどう振り返りますか？

ラモン・カルデナス（以下、RC）　勝負師として、もちろん戦い続けたかった。まだ戦えたし、身体は大丈夫だった。ただ、レフェリーは違ったものを見たのだろう。「大丈夫だ、大丈夫だよ！」と言ったが、レフェリーには「君が大丈夫なのはわかっているが、ここまでだ」と言われた。だとすれば、その判断を尊重すべきなのだろう。もう結果が出た以上、騒いでも良いことは何もないのだから。

――あそこでストップされたおかげで、ダメージを溜めることもなく、井上戦で力を見せたあなたの今後がより楽しみになったという見方をどう思いますか？

8回、井上尚弥がパンチを畳み掛けたところでレフェリーストップがかかった　©︎Hiroaki Finito Yamaguchi

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RC　それは間違いないとは思う。今年中に復帰するつもりだ。次の試合がいつになるかはわからないが、自分でも楽しみにしているよ。イノウエ戦で自分自身のレベルがわかった。現役最高級というだけではなく、ボクシングの歴史でも最高級のボクサーと真っ向から打ち合ったんだ。誰も勝機を見出していなかった試合でそれだけのことをやった自分を誇りに思っているし、そんなパフォーマンスができたことを嬉しく感じる。

――この試合がファンから非常に好意的に受けいれられている理由の一つとして、やはりあなたの大健闘が大きかったと思います。

RC　厳しい状況になっても、私は最後まで勝利を目指して戦った。ボクシングで大切なのは勝っても、負けても、ファンを喜ばせるだけの戦いを見せること。人々はそれを感謝してくれているのだろう。試合に負けても“勝利”を手にすることがある。今回の私がそうであり、イノウエを支持していたはずの日本のファンが私の戦い方と闘志もサポートしてくれたことがそれを証明していると思う。

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