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あの“茶髪の最強エース”を圧倒、関カレで留学生に先着…高校は“偏差値70”超の進学校 東大「悲運の天才ランナー」はなぜ箱根駅伝を走れなかった？
posted2025/03/15 11:01
1999年の日本インカレ5000mで先頭を走る東大の新妻拓弥。後ろには永田宏一郎（鹿屋体大）や徳本一善（法大）といった往年の名ランナーの姿も
text by
別府響Hibiki Beppu
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本人提供
年始の箱根駅伝で話題となった学生連合チームの東大生ランナーによる「赤門リレー」。非強化校の最難関国立大にも強力なランナーがいることを世間に印象付けた格好だが、実は過去、東大には更なる実績を残した選手もいた。時代に恵まれず、箱根路を走ることはなかった「異色の天才ランナー」とは何者だったのだろうか？《NumberWebインタビュー全3回の1回目／2回目、3回目を読む》
「いまでも『箱根駅伝の予選会で個人10位だったんですよ』という話をすると、日本の方はみんな『すごいですね』と驚いてくれるんです。やっぱり箱根ってすごいんだなぁと思いますよ」
現在は海外を拠点に仕事をしている新妻拓弥は、日本特有の人気競技を引き合いに、そんな風に笑った。
東大生が「学生界最強ランナー」たちに先着
今から25年前、2000年の箱根駅伝の予選会。当時、東京大学の4年生だった新妻は、最後の最後まで日本人トップ争いを繰り広げ、個人10位（※日本人では8位）に食い込んだ。
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この時、新妻の後塵を拝したランナーの中には、当時「学生界最強」の呼び声も高かった法大“茶髪の風雲児”徳本一善（3年）や大東大“山下りのスペシャリスト”金子宣隆（3年）、現在、大東大の監督も務める真名子圭（4年）といった学生界でもトップ級の選手も含まれていた。実際に翌年始の本選では、徳本が花の2区を走って2位。金子と真名子は6区と10区で区間新記録をたたき出している。
そんなエースたちを相手に、真っ向勝負で“あの”日本最難関の東大生が渡り合ったのだ。
加えて東大は過去の実績がないため、当時はスタート地点が強豪校にくらべて数十m後方からになるという不利もあった。しかも新妻は、予選会のわずか1週間前の国体3000m障害にも出場し、6位に入っている。さまざまな不利をひっくり返しての激走は、関係者のなかでも衝撃度合いが大きかった。
一方で、そんな快挙があったにもかかわらず、駅伝ファンですら新妻の名前を記憶している人はそう多くはないのではないか。
