野球善哉BACK NUMBER
ドラ1から「イップスで1試合も投げられず戦力外」に…どん底だった元DeNA北方悠誠の人生を大逆転させた「信じられない出来事」とは!?
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/02/22 11:15

2011年のドラフトでベイスターズに1位指名され、DeNA第1期生となった北方悠誠(右)。波乱万丈すぎる人生を語った
一軍で1球も投げずに戦力外に
そのまま、本来のボールは戻らなかった。オフに球団から呼び出された。先輩からは育成契約の打診ではないか、という甘めの見通しをを聞かされ、北方もその気でいたが、実際は「球団職員にならないか」という宣告だった。
「20歳だったので、この年齢で球団職員になるのもな……と。まだまだ体も動きましたし、投球動作さえ元のように戻れば……まだ体は動く自信はあったので。球団職員になることはお断りさせてもらいました」
トライアウトを経て、ソフトバンクが手を挙げてくれた。ベイスターズ時代のチームメイトでもあった入来祐作がコーチを務めており、彼の尽力もあって状態は多少改善してきた。しかし結果を出すことができずに、1年限りで再び戦力外。かつてのドラ1は、一軍公式戦では1球も投げられずにプロの世界を去ることになった。
どん底から人生を変えた驚きの出来事とは
ADVERTISEMENT
そこからは、独立リーグの球団を転々と移った。トライアウトは受験できるリミット回数をすでに超えてしまっていた。
だが、ある出来事が北方の人生を180度変えることになった。徐々に球速は回復し、水面下ではNPBから接触があった。そして2019年、まさかのメジャー球団から声がかかったのだ。
どん底まで落ち、「イップス」状態と揶揄されて本来のフォームを見失っていた投手に、いったい何が起きたのか?
〈全3回の1回目/つづきを読む〉
