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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「私が見てほしいのは…」グラビアアイドルでプロレスラー・勇気みなみが語る決意「可愛いと思われればいい」から変わったプロ意識《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/12/30 11:07
グラビアアイドルとして活動を続けながら、マリーゴールドのリングに上がる女子プロレスラーの勇気みなみ
「ダサいって言う人もいるんですけど(笑)」
セーラームーン風から一転して、マリーゴールドでは黒ベースのシンプルなコスチューム。ただデザインを考案したのは、アイドルグループのプロデューサーだそうだ。ヒザ下(スネ)を出すスタイルはマサ斎藤を思わせる。
「ダサいって言う人もいるんですけど(笑)、プロデューサーとしては“今どき誰もやってないからいいんじゃないか”って」
8月19日の再デビュー戦はシングルマッチ。南小桃との「みなみ対決」に勝利した。ただそれ以降の勝ち星は少ない。再デビュー当時に目標を聞くと「(マリーゴールド)2勝目です」と答えていたし、2勝目をあげると「次の目標は3勝目」。
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まだ大きな夢を口にする余裕がないのだろう。マリーゴールドには南小桃、瀬戸レア、山田奈保とキャリアの近い選手が多い。毎回のように対戦しながら、彼女たちは“若手集団”から抜け出す機会を狙っている。
大晦日には“古巣”アイスリボンに参戦することになった。映画企画からデビューした選手のその後はそれぞれ。アイスリボンを離れる選手もいるし、プロレスをやめる者も。そんな中で、オリジナルのメンバーが最後に集まる機会が設けられた。
「メンバーの呼びかけで自分も試合に呼んでもらって、凄く嬉しいです。最後にまた会えるんだって。だけど今の自分の感覚としては、仲間に会いに行くというだけではないですね。むしろ1人で乗り込んでいく感じ」
「可愛いと思われればいい」から変わった意識
あくまで“マリーゴールドの勇気みなみ”として闘うと決意している。
「まだ全然勝ててないですけど、マリーゴールドでやってきたことに自信はあります。今の私は“リング上でも可愛いと思われればいい”みたいな選手から生まれ変わったので。
私はこれからもプロレスを続けるし、マリーゴールドという最高の舞台がある。そのために動いたので。試合を見たら“やっぱり私でしょ”というのが分かってもらえるかなと」
大晦日の夜、マリーゴールドの年越しイベントでは新人王トーナメントに挑む。映画企画の頓挫からいち早く独自の活動に移った勇気は、その結果としてこう言えるようになった。
「映画企画のメンバーで誰よりも希望を見せられているのは私だと思います」
《後編に続く》
(撮影=杉山拓也)