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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「私が見てほしいのは…」グラビアアイドルでプロレスラー・勇気みなみが語る決意「可愛いと思われればいい」から変わったプロ意識《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/12/30 11:07
グラビアアイドルとして活動を続けながら、マリーゴールドのリングに上がる女子プロレスラーの勇気みなみ
“アイスリボンの可愛い担当”とは別の道に…
アイスリボンでのコスチュームはセーラームーンがモチーフ。グリーンはアイドルとしてのメンバーカラーだ。確かに、プロレスは実力、勝ち負け以外の魅力もある。それがファンにとってチケットを買う理由になるのであれば、一概に否定されるものでもない。もしかしたら彼女もこのまま“アイスリボンの可愛い担当”になっていたかもしれない。だが、分岐点は意外な形でやってきた。
映画の企画自体が撮影前に頓挫してしまったのだ。団体は急遽、別作品の製作に動くが、当然すぐにというわけにはいかない。
「プロレスの練習に時間を取られながら、新しい作品の撮影が決まるのを待つしかない状態で。それだと順番が違いますよね。もともと映画出演のためにプロレスの練習をして、試合デビューもしたはずなのに」
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4月、契約満了とともにアイスリボンを退団。その頃、新団体マリーゴールドが旗揚げの準備を進めていた。スターダムの創設者・ロッシー小川氏が率いる団体だ。選手にもジュリア、林下詩美などスターダム離脱者が何人もいた。
「実は所属してるアイドルグループのプロデューサーがプロレス大好きで。そういうこともあって、マリーゴールドでもう一回プロレスを頑張ろうと。このまま終われないなって」
「リングではグラビアアイドルじゃなくてプロレスラー」
同じアイドルグループの咲村良子、咲村と同じ事務所のグラドル・橘渚も一緒に入門した。リングネームを「勇気みなみ」に変えた理由の一つは、マリーゴールドの選手に「南小桃」がいて“南かぶり”を避けるため。
「でもそれだけじゃなくて。グラビア、アイドルをやっている南ゆうきとプロレスラーの勇気みなみをはっきり分けたかったんです。
アイスリボンではグラビア要素たっぷりのコスチュームでリングに上がっていて、それも間違いではなかったと思うんですけど。ただリングでの私はグラビアアイドルじゃなくてプロレスラーなので」
芸能界からのプロレス挑戦が増えても「アイドルに何ができる」といった風当たりがなくなるわけではない。勇気も直接「プロレスできんの?」と言われたことがあるそうだ。
ましてマリーゴールドはチャンピオンのSareeeを筆頭に試合の激しさ、熱量の高さが持ち味になっている。団体によってプロレスへのスタンスが違うことも知った。
「アイスリボンでは“この動きができないなら、こういうやり方もあるよ”と教えてくれました。ごまかすということではないんですけど“これもプロの見せ方だよ”って。
マリーゴールドは逆なんです。“この動き、この技ができないようではリングには上がれないよ”と」