- #1
- #2
酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
和田毅引退で「松坂世代」が完結…投手成績を見直すと面白い「じつは松坂大輔より和田と杉内俊哉の方が」「メジャー挑戦は藤川球児ら4人」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/11/17 11:00
和田毅と松坂大輔。アマ時代からプロ野球、MLBに侍ジャパンとライバルであり盟友として「松坂世代」を牽引した
和田はMLB挑戦前と後に最多勝を1回ずつ取っている。杉内はソフトバンク時代に最多勝1回、最優秀防御率1回、最多奪三振2回、FA移籍した巨人で最多奪三振1回。
とはいえ松坂は1999年から2006年までのわずか8シーズンで108勝を挙げ、この時点では世代で断トツの1位だった。高卒新人から3年連続最多勝、最多奪三振4回、防御率1位2回。圧倒的な存在だった。しかしMLBから復帰して以降は投げられない日々が続き、そこからは6勝にとどまった。
久保康は2005年の新人王。ロッテ、阪神、DeNAで先発投手として投げ、2ケタ勝利は3回だが制球力の良い先発だった。アメリカ、メキシコ、関西の独立リーグを経て今季もドイツのリーグで投げた。館山は、最多勝1回、5年連続2ケタ勝利と安定感のある先発だったが、トミー・ジョン手術を3回経験するなど故障に苦しんだ。
新垣は、高校時代は松坂に次ぐ快速球の投手として注目され、ダイエーに。最多奪三振1回。ただ荒れ球でシーズン25暴投のNPB記録を作っている。木佐貫は高校時代、杉内と鹿児島県で覇を競った。巨人、オリックスで先発投手として活躍。フォークが持ち味の技巧派だった。
救援投手は、何と言っても藤川。勝利の方程式「JFK」のセットアッパーとして大活躍したのち「火の玉ストレート」を武器とするストッパーとして長く活躍した。最多セーブ、最多ホールドともに2回獲得。またこのオフ、この世代では野手の平石洋介に次いで2人目のNPBの一軍監督になった。
藤川とともに「JFK」の一人として活躍した久保田智之も、この世代だ。2007年には「シーズン90試合登板」のNPB記録を樹立し、最多ホールド2回。久保裕は先発から中継ぎに転向、巨人のセットアッパーとして活躍した。
永川、小野寺、江草、小林正…名リリーフが数多い
続いては、11~20位。
永川勝浩(80年12月14日)広島新庄高ー亜細亜大/広島
527試38勝42敗165S79H 582回 率3.46
雄太(80年6月17日)上田西高ー大東文化大-日本通運/中日
100試28勝31敗0S1H 489.2回 率3.44
長田秀一郎(80年5月6日)鎌倉学園高ー慶應義塾大/西武、DeNA
389試25勝25敗2S85H 420回 率4.14
小野寺力(80年11月26日)鴻巣高ー常磐大/西武、ヤクルト
310試23勝24敗59S31H 364回 率4.05
加藤大輔(80年7月27日)九州国際大付高ー神奈川大/オリックス、楽天
400試22勝28敗87S54H 490.1回 率3.73
江草仁貴(80年9月3日)盈進高ー専修大/阪神、西武、広島
349試22勝17敗0S48H 442.1回 率3.15
杉山直久(80年12月25日)東舞鶴高ー龍谷大/阪神
94試21勝23敗0S0H 429回 率4.01
多田野数人(80年4月25日)八千代松陰高ー立教大/日本ハム
80試18勝20敗0S2H 333.1回 率4.43
石堂克利(80年4月18日)愛工大名電高/ヤクルト
26試11勝10敗0S0H 123.2回 率6.19
小林正人(80年8月21日)桐生第一高ー東海大/中日
293試11勝4敗1S62H 167.1回 率2.90
藤川の前にやや影が薄いが、永川勝浩もカープの全体的なストッパーだった。