なでしこジャパンの世界一に胸をときめかせたサッカー少女が受け継ぐバトン。リバプール長野風花の人生の目的。

　その響きを聞いた時に想像力をかき立てられるような素敵な名前を持ちながら、名前以上に華やかな笑顔でサッカーの楽しさを表現する女子アスリートがいる。長野風花だ。

　年代別の女子日本代表からフル代表まで、一貫して背番号10を託されてきた選手である。リバプールのSNSなどを見てみれば、彼女が笑顔の花を咲かせている様子はすぐにわかるはずだ。長野はいつも、チームの中心にいる。

　彼女は自身のパーソナリティについて、こう話している。

「どんなときも笑顔で明るくポジティブなエネルギーを周りに発せられるような人間、女性でありたいですし、人の役に立ちたいという想いがすごく強くあります」

　そんな長野にとっては、いくつになっても、どんな環境に置かれても、決して変わらない人生の目的がある。

「とにかく1日1日を大切にする。人生は一度きりしかないので、楽しむことを本当に意識しています」

なでしこジャパンの世界一を見てきたサッカー少女が、そのバトンを受け継ぐ

　その一方で、サッカー選手として成長していく過程で変化してきた人生の目的もある。小学生から中学生のころ、いわゆるサッカー少女だった時代にはこんな風に考えていた。

「先輩方のように海外で活躍したいと思っていました。今よりは海外で活躍する日本人選手は少なかったですけど、“世界で活躍する選手になる”という強い想いがあったので、そこに対しての不安というのは一切なかったです」

　では一体なぜ、彼女はそのような想いを抱くことができるようになったのだろうか。長野はこう話す。

「私はすごくサッカーが好きで、サッカーを始めた頃から、なでしこジャパンが海外で結果を残すところを見てきたので」

「とにかく1日1日を大切にする」どんなときも楽しむことを大切にする長野風花

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　ちょうど彼女が12歳のとき、なでしこジャパンの愛称で知られる女子の日本代表はドイツで行なわれた世界大会で初優勝を飾り、世界一の称号を手にした。

　ドイツでの世界大会の決勝戦では世界最強と言われていたアメリカ代表をPK戦の末に破ったのだが、劣勢の戦いのなかで起死回生の同点ゴールを決めたのが澤穂希だった。当時のキャプテンである彼女なくして、日本の優勝はなかった。誰もが認める存在だった。実際、世界大会での活躍を評価され、彼女は翌年1月に世界最優秀選手にも選ばれている（2024年9月時点で、男女を通して世界一のサッカー選手という称号を得た日本人は彼女だけだ）。

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