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巨人「スガコバ」復活で防御率0.44…菅野智之34歳のために「直近5年の通算打率.116」同い年の小林誠司は“もう少し打てる捕手”となれるか
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2024/04/23 11:01
「スガコバ」こと菅野智之と小林誠司。巨人ファンに愛されるバッテリー継続のためには、やはり小林の打撃がカギとなる
「専守防衛タイプ」で打撃成績が良くない捕手でも、ソフトバンクの甲斐拓也は8番打者として存在感がある。時折大きな当たりを打つし、好機でクリーンヒットではないにしても「嫌らしい安打」を打つなど結構活躍するのだ。ヤクルトの中村悠平も8番で、四球もよく選び、ときおりタイムリーヒットを打つなど意外性のある打撃を見せる。
しかし小林は2020年以降、最も良い打率が2022年の.148(88打数13安打)であり、昨年など一軍で8打数1安打の打率.125、二軍でも9打数1安打、打率.111だったのだ。そして犠打もここ5年で8個しか記録しておらず、キャリア通算打率は.207である。
投手でも昨年、菅野智之は21打数5安打、打率.238を記録している。「投手よりも打席で期待できない捕手」では厳しいと言われても致し方ないだろう。
直近5シーズンの打率.116の改善はなるか
小林はもともと「打てる捕手」ではなかったが、それでも2019年までは6シーズンで打率.219(1541打数337安打)14本塁打を打っていた。しかしそれ以降は5シーズンで.116(207打数24安打)本塁打は1本だ。そもそも打席を与えられておらず、スタメンで出場しても、代打を出されることが多い。
しかし今後、菅野がローテを維持してその捕手を小林が務めるとすれば「打」の問題がクローズアップされる可能性が高い。急に打撃力が向上することは考えられないにしても、小林自身が打撃への意識をもってしっかりバットを持つことが大事ではないか。
小林は菅野が登板した18日の阪神戦で先制タイムリーヒットを放ち、また21日の広島戦では降雨コールドで幻となったものの、6回に犠牲フライを放った。菅野智也の復活とともに、小林誠司も復活――となれば巨人のリベンジも見えてくるだろう。
週間記録:ヤクルト村上が3本塁打と上昇気流
【2023年4月15日~21日 週間成績】
〈セ・リーグ〉
・今季成績
阪 神21試11勝8敗2分 率.579
中 日20試10勝8敗2分 率.556
巨 人20試9勝8敗3分 率.529
DeNA19試9勝10敗0分 率.474
広 島19試8勝9敗2分 率.471
ヤクルト19試7勝11敗1分 率.389
・4週目の成績
阪 神6試5勝0敗1分 率1.000
広 島5試3勝0敗2分 率1.000
DeNA5試2勝3敗0分 率.400
ヤクルト6試2勝4敗0分 率.333
中 日6試2勝4敗0分 率.333
巨 人6試0勝3敗3分 率.000
阪神と広島は今週負けなし。先週5連勝の巨人は今週勝ち星なしで3つの引き分け。中日も4連敗と急停車した。
〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標であるRC=Runs Create順
村上宗隆(ヤ)22打9安3本5点1盗 率.409 RC7.59
森下翔太(神)20打9安1本5点0盗 率.450 RC6.83
牧秀悟(De)20打8安2本7点1盗 率.400 RC6.23
カリステ(中)22打12安0本2点0盗 率.545 RC5.66
サンタナ(ヤ)20打6安1本1点0盗 率.300 RC4.70
村上宗隆がようやく本調子となり3本塁打。ヤクルトのオスナも3本塁打。打点はDeNA牧が7打点。盗塁は阪神の近本光司が2。