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松坂世代最後の現役選手・和田毅43歳は、なぜ年々進化できるのか? 2年前に起きた体調の変化「登板日の朝に限って…」 

text by

君塚麗子

君塚麗子Reiko Kimizuka

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photograph byKiichi Matsumoto / Takuya Sugiyama

posted2024/04/11 11:00

松坂世代最後の現役選手・和田毅43歳は、なぜ年々進化できるのか? 2年前に起きた体調の変化「登板日の朝に限って…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto / Takuya Sugiyama

食事を変えてスタミナが上がった実感が

山田 実は、サッカー日本代表に復帰された長友佑都選手も「ロカボを取り入れたら足が攣る頻度が減った」とおっしゃっていました。和田さんや長友さんだけでなく、多くのアスリートの方が同じような体感があるようです。血糖が上がると、筋肉内の細胞とその周辺の環境とでブドウ糖の濃度の差が大きくなる。これによって細胞膜が不安定になり、足が攣る原因になるのではないかと考えられています。

和田 僕はもともと足が攣りやすいのもあったんですけど、'22年シーズンでは17試合に登板して、12~13試合で攣っていたんです。でも'23年は21試合中、攣ったのは2試合だけでした。しかもこの2試合は、8月の暑くて湿度がものすごく高い日に投げたので、これはもう仕方ないなという感じでした。シーズン全体で見ても、'22年に比べて投球イニング数も伸びましたし、勝ち星もひとつ増やせました。

山田 和田さんはこれまでも十分な結果を残していらっしゃる選手なのに、ここからまだ新しいことを取り入れるという柔軟さに驚きました。

和田 あともうひとつ、食事を変えて体重が1kgほど減ったんです。内臓脂肪が落ちて筋肉量が増え、スタミナが上がった実感がありました。体重としては1kgだけなんですけど、体のフォルムも変化したし、ベルトの穴もひとつ変わりました。

山田 お腹周り1cmは体重1kgに換算できます。ベルトの穴の間隔は2~3cmなので、内臓脂肪が2~3kg落ちて、筋肉が増えたのだと推察できます。いちばん理想的なパターンです! 筋肉を落とさず内臓脂肪だけが落ちると体が軽くなった感覚があり、それで「体のキレが良くなった」という表現をする方も多いです。

和田 そうなんですね。実は最近、血液検査の結果もオールAだったんですよ。

山田 本当に素晴らしいですね!

食後高血糖は30~50代、ランナーに多い

――食生活を変えて、いいことずくめですね。そもそもカーボローディングはどれぐらい前から行なっていたのですか?

和田 プロに入ってからずっと続けてきました。もっと遡ると、学生時代はカーボローディングどころか、たんぱく質も摂らずにパスタとごはんと餅と、みたいなこともありました。それでも体の不調につながらなかったのは“若さ”のおかげだったのでしょうか。

山田 一般的に加齢とともに血糖値が上がりやすくなるということもありますが、若い頃からカーボローディングを続けてきた方には別の要因もあって。血糖値が乱高下していると高血糖そのもの、もしくは乱高下していることによって、様々な細胞の能力がだんだん低下していくと考えられています。20年以上、それを繰り返していたとなると、細胞の機能低下の可能性は大きいと思います。

和田 もっと若い頃から知識があったら、と思ってしまいますね。

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