相撲、この技、この力士BACK NUMBER

元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第17回:魁皇「右上手の瞬間に館内が沸く」

posted2024/03/16 09:00

 
元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説第17回:魁皇「右上手の瞬間に館内が沸く」<Number Web> photograph by Takayuki Ino(Illustariton)

text by

二所ノ関寛

二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki

PROFILE

photograph by

Takayuki Ino(Illustariton)

 今回は平成の土俵を彩った怪力、優勝5回を誇る魁皇関(現・浅香山親方)を取り上げます。

 その凄さは「魁皇が右上手を取ったら勝つ」と、見ている誰もが分かっていたことです。魁皇関が右上手を取った瞬間に、館内があれだけ沸いたのですから。

 かくいう私も、魁皇関に右上手を取られてから投げ飛ばされ、体がまるで無重力のように浮き、空中で1回転半した経験があります。

 なぜ、そうした状態になったかというと、右上手を取られて小手投げを打たれるときに「これ以上、我慢したら左肘が折れてしまう」と身体が危険信号を発する瞬間があるのです。魁皇関のパワーは、そう感じさせるほどの怪力でした。そこでやむなく肘を守るために、自分から飛んでいくような状態になります。私は魁皇関のおかげで、地上にいながら無重力状態を体験させてもらったわけです(笑)。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 1151文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#稀勢の里
#魁皇

相撲の前後の記事

ページトップ