「日本人記録の数字（165km）があるので、意識はします。166kmを投げる人がいれば（目標は）166になると思うし。日本人で一番速いってことなんで、カッコイイっすよね（笑）」

　ただ純粋に、限界知らずの若き剛腕は“一番”を目指す。

　昨年の今頃はまだ一軍未登板の“期待の大器”だった。そこから、初登板で開幕投手を務め、唸りをあげるストレートと高校時代から極めてきたカーブの2球種に、野茂英雄氏から教わり習得したフォークを絡めた投球で9勝を挙げ、防御率は1.61。腰椎分離症のため8月末に離脱したが、大きなインパクトを残し新人王に輝いた。

狙うタイトルは最優秀防御率。目指すは…

　今年は宮城大弥と共に、山本由伸（ドジャース）が抜けたオリックスのエース候補に挙げられる。その今季の目標を聞くと、まずは地に足のついた答えが返ってきた。

春季キャンプでの山下 ©Hideki Sugiyama

「とりあえず中6日でローテーションを回れるように。規定（投球回）に乗らないと評価もあまりされないですし、規定に乗った上で、タイトル争いだったり、いろいろなことがあるので。やっぱりタイトル争いはしたいですから」

　特に狙いを定めるタイトルは最優秀防御率。目指すのは「1点台前半」だ。

「昨年由伸さんが1.21でしたよね。そういう選手がいるってことは、できるってことなので、目指すべき数字なんじゃないかと。記録があるということはそういう素晴らしい数字を（自分も）出せるということで、もっといける可能性もありますから」

　誰かが超えた壁は自分にも超えられる。自身の可能性を信じる山下の自然な発想だ。

　防御率などの「数字（結果）」にも、球速や回転数といった「数値」にもこだわるが、試合になれば求めるのは「結果」だ。

【続きを読む】オリジナル動画も充実のサブスク「NumberPREMIER」内の「由伸さんが1.21でしたよね」オリックス山下舜平大にとって“数字”と“数値”と“結果”の違いとは？《21歳の新エース候補》で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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