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《独占告白》守田英正がアジアカップ後の“発言”で本当に伝えたかったこと「言うなら僕しかいないと思っていた」「悪役のつもりは微塵もない」 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byGetty Images

posted2024/02/29 17:00

《独占告白》守田英正がアジアカップ後の“発言”で本当に伝えたかったこと「言うなら僕しかいないと思っていた」「悪役のつもりは微塵もない」<Number Web> photograph by Getty Images

アジアカップ準々決勝のイラン戦で先制ゴールを決めた守田英正。その後逆転負けを喫したチームに対して守田は“問題提起”をした

「たとえばイラン戦の僕のゴールは、ポジション別ミーティングから生まれたものでした。コーチを交えて攻撃陣と守備陣に分かれて話し合い、攻撃陣の方ではFWが『どんなときにパスが欲しいか』について意見を交換した。イラン戦の得点場面では僕が中央にいた(上田)綺世にパスを出し、ダッシュで近づいて受け直してゴールを決めましたが、似たような場面がイラク戦にあってイメージを合わせていたんですよ」

――カタールW杯の例をあげると、スペイン戦2日前に鎌田大地選手がフランクフルト式の3-4-2-1を提案し、森保監督が採用したことがありました。

「選手ミーティングで出た意見を監督へ上げたときに汲み取ってくれて、チームとしてすぐ対応できるのが、森保さんのボトムアップの良い部分だと思います。まさにそれがカタールW杯で出ましたよね。チームとしてフレキシブルに振る舞えるので、短期の順応に優れている。森保さんだからこそできてる部分だと肯定的に思っています。

 でも、長期的にチームを積み重ねていくとなると、やっぱり軸が必要だと思います。軸が安定しないと、積み重ねをしづらい。ボトムアップだとアーセナルやブライトンのやり方を取り込めるのでいいという意見があり、実際に今それをやれていると思う。けれど、太い幹がないと、付け加える枝の数に限界がありますよね。しっかりとした本物の軸をつくるべきだと思っています」

守備が苦手なことは対戦国にバレている

――どんな部分で軸が欠けていますか?

「一番やらなくちゃいけないのは守備だと思います。日本は選手が個人として真面目に頑張るけれど、チームとしての守備が苦手なことは対戦国にもうバレている。例えば相手が可変で3バックにしたり、最初から3バックで来たりしたときに、選手たちから露骨に苦手意識が出ていると思う。相手が弱いとごまかせていますが、今のところ3バックに対してはマンツーマン気味に守るやり方しかチームとして持てていない。

 イラン戦もそうでした。両センターバックが大きくサイドに開いて、GKを使ってビルドアップしてきたため、日本側はプレスをかける人数が合わなくなってしまったんです。ボール保持者に圧力がかからず、好きな形で放り込まれてしまった」

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