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バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「成長には、常に窮地にいることが必要」女子バスケ代表主将・林咲希が五輪イヤーに“移籍決断”のワケ…「パリは去年の男子以上に盛り上げたい」
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/24 11:05
五輪最終予選でキャプテンを務めた林田が、今季ENEOSから富士通へ移籍。五輪イヤーにも関わらず移籍を決断した理由は…?
「環境も違いますし、チームメイトとの関係も1から作っていかないといけない。富士通はここまでなかなか優勝できていませんが、そこで後輩たちと関わりながら、押し上げていく難しさというのも痛感しています。当然、そういうことも期待されて入っているわけなので……。プレー自体もそうですが、後輩たちにどう伝えていくのかが、今、自分の課題であり目標になっています」
今季はWリーグの中断前までレギュラーシーズン18試合に出場し、209得点、平均11.6得点、31アシスト、3Pゴール成功率44.21%というスタッツを残している。
「全然ダメですね。ディフェンスにあまりフィットできてないし、環境自体にまだ慣れていないし、“できてる!”とはっきり手応えを掴めていない。でも、逆に、これからどれだけできるのか楽しみなんですけどね」
日本バスケ界随一のシューターである林だが、富士通ではシューターだけでなくハンドラーになることも求められ、より多くの役割を担っている。
「ハンドラーって意外に楽しいんだなというのもここにきて新たに発見しました。代表に行くことが多いので、なかなか下の世代の選手と関わることが少ないんですが、その選手たちができるだけ試合に出られるようなモチベーションづくりをフォローしたいと思っています。そこが整えば、コートで力を発揮できる選手が多いと思うので」
代表キャプテンで得た「人間的な成長」
自身もENEOS時代に「最初は自信がなくて、代表に入り始めたころもレジェンドの選手がたくさんいたのでおとなしかったんです。自分から話しかけにいけなかった」というが、少しずつ結果を残し、信頼を積み重ねてきた。
「もっと自信を持ってプレーしてほしい。結果を残すことで自信が付くけれど、そこに至れていない選手が多いので、その手助けをしたいですね」
そう考えるようになったきっかけは代表でのキャプテン経験だ。
「自分がやるのは雰囲気づくりとかコミュニケーションの部分。恩塚さんがあまり怒らない分、結構言っていますね。もともとはそんなタイプじゃなかったんですけど、言うようになりました(笑)」