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「みんなクボを気に入ってるんだ」傷心アジア杯から中2日スペイン復帰戦、久保建英は古巣の仲間に挨拶を…カメラマンが見た“気迫と品格”
posted2024/02/10 11:04
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
2月6日、マジョルカ島で行われた国王杯準決勝ファーストレグ、RCDマジョルカ対レアル・ソシエダ戦のピッチには、先発フル出場した久保建英の姿があった。
今回カタールで行われたアジアカップは、欧州サッカーのスケジュール真っ只中に開催された。代表選手の多くが欧州クラブでプレーする日本では選手招聘に関する高い関心が集まったものの——日本はイランに敗れ、まさかのベスト8敗退となった。
2月3日、現地カタール14時30分、スペインでは12時半キックオフだったイラン戦の敗退から、わずか中2日でソシエダの選手としてマジョルカ戦の先発メンバーに名を連ねることとなった。
ソシエダが3日夜、バルセロナ近郊都市ジローナで試合を行っており、久保はカタールより直行便で7時間ほどのバルセロナでチームへ合流。ホームタウンのサンセバスチャンへは戻ることなく、そのまま国王杯の会場となるマジョルカへ。イラン戦から4日間のうちにこれだけの移動をしている。
強行軍とも思われる久保の起用には、ソシエダ指揮官イマノルからの信頼を感じさせる。ただそれと共に——久保の日本代表合流後、チームはリーガ、国王杯と週2試合の過密日程を続けており、常に負傷者に悩まされていた。そのため久保やアフリカカップから戻ったアマリ・トラオレを起用せざるを得ないほど。薄い選手層という切迫した状況も象徴している。
古巣サポから「みんなクボを気に入ってるんだよ」
21時のキックオフから90分ほど前、両チームの選手バスがスタジアムへ着く際には、発煙筒が焚かれるなど、ホームチームには歓声が、アウェイチームには罵声が飛ばされていた。
現在リーガで17位と下位に沈むチーム、サポーターにとって、準決勝まで勝ち進んだカップ戦への士気は高い。
この日、2万2000人以上のファンが集まっており、満員に近いスタジアムが選手を後押しした。また久保がアップのためピッチへ姿を現した際には、〈KUBO〉という多くの声援がかけられてもいた。
久保にとってマジョルカは、リーガ1年目をレアル・マドリーからのレンタル選手としてデビューを果たした思い出の地である。それゆえマジョルカ選手、スタッフとの再会を楽しむ姿も見られた。