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ボクシングPRESSBACK NUMBER
極秘交際7年、トレーナーと電撃婚…“ボクシング界の上戸彩”宮尾綾香が語る、徹底して交際を隠し通したワケ「電車も違う車両で移動してました」
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/09/23 11:06
引退後に結婚を発表した宮尾綾香。じつはそのお相手はずっと指導してきたトレーナーだった
それから4年。ワタナベジムへ出稽古に行くと、あの『ガンダムボクサー』はグローブを吊るしてトレーナーになっていた。ジムで顔を合わせて知り合いになったものの、すぐに距離が縮まったわけではない。2人を結びつけたきっかけは、誰もが知るロールプレーイングゲーム(RPG)。宮尾がどうしても行きたかった『ドラゴンクエスト』のミュージカルに梅津が足を運んだことを知り、ブログに「いいね」とメッセージを送ると、少ししてから返信がきた。
「今度、渋谷でドラクエ展があるけど行く?」
2人の好きなキャラは、シャア・アズナブル
いま思えば、これが初デート。共通の趣味はドラクエだけではない。予想どおり、ガンダムの話にも花が咲いた。好きなキャラクターは、互いにシャア・アズナブル。宮尾が最も好きな「戦いとは二手、三手先を読んで行うものだ」という言葉にも梅津は当たり前のように反応し、気づけば名台詞のラリーが続いていた。
「ひと言で言えば、馬が合ったのかな。ボクシングという共通項があり、それ以上に私がこれまで話せなかったことを思い切り話せたこともあり、すごく楽しくて」
何も知らない母親が怪しんでいると…
自然な流れで付き合い始めたのは、ワタナベジムに移る1カ月前の16年8月から。すでに移籍することは決めており、梅津に前もって話すこともなかった。当時は5度防衛した世界王座から陥落し、再起を果たしたばかり。何よりも優先したのは、プロボクサーとして高みを目指すことである。当初は梅津に担当トレーナーを頼むつもりもなかった。ジム移籍直後に練習を見ていたのは別のトレーナーだった。それが予期せぬ事態から状況が変わることになる。