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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「フジは本当に英語がうまい」藤浪晋太郎のコーチ・同僚が絶賛…なぜオリオールズで激変?「電動キックボードで出勤」「スラングを教わって…」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/09/06 06:00
オリオールズで活躍する藤浪晋太郎
チームで愛される日常
逆にクーロムが藤浪から教わった日本語は何かと聞くと「トモダチ」「シンユウ」「オス」「ゲンキ」と、瞬時にスラスラと口から出てきた。すでにそれだけの言葉を習得していることから、2人のコミュニケーションの密度の濃さが伝わってくる。クーロムはこう語った。
「フジの言葉や生まれ育ってきた文化を聞くことで、彼のことをよく知りたかった。彼にチームの一員だということを感じてほしかったしね」
ブルペン仲間だけでなく、正捕手アドリー・ラッチマンとの呼吸もぴったりだ。試合の最後を締める機会が増え、勝利を飾った試合終了の瞬間に抱き合う姿がよく見られるようになった。8月28日の本拠地のホワイトソックス戦では、藤浪が9点リードの9回に4番手で登板し、最後に投げたスイーパーが水平に大きく曲がり、外角の微妙なゾーンだったがストライクの判定をもらい見逃し三振で最後を締めた。藤浪が身ぶり手ぶりで「少し外れてた?」といった様子で話しかけると、ラッチマンが「大丈夫。ビューティフルだった」と声を掛ける場面があり、その仲良しコンビぶりがファンの間で話題になった。
「フジは素晴らしいコミュニケーション力」
ホルト投手コーチは語る。
「フジは素晴らしいコミュニケーション力を持っている。私が指導しているときも、何か疑問が出てきたらすぐに聞いてくれるし、私の方から何かを伝えたいときも、よく耳を傾けてくれる。投球に関して何かを指摘したときや、ここをこうしようと言って何かに取り組むときも、それを受け入れる柔軟さを持っている。本当に優れたコミュニケーターだよ」
トレードで移籍して間もないにもかかわらずチームに溶け込みいい人間関係を築けたことは、投手としてのパフォーマンスにもいい影響を与えている。そう断言できる証拠に、移籍後の“数字”が大きく変化していたのだ――。
〈つづく〉