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久保建英2戦連続MOMにアシスト、響き渡る「タケクボコール」も冴えない表情「やはりシルバ不在は…」カメラマンが感じたこと
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/08/23 17:18
2戦連続で得点に絡んだ久保建英。しかしソシエダはホーム開幕2連戦でともにドローとなった
パスを送った久保はバレネを指差し、ゴールのバレネは久保の元へ走り寄り抱き合うと、観客席に向かってのセレブレーションとなった。
響く「タケ・クボ」コール。しかし…
ソシエダは守備時に、最終ラインからボールを繋ごうとする相手に対して、CFのカルロス・フェルナンデスに加え、久保がツートップ気味の位置どりに入る可変式のシステムで臨んだ。ただセルタが中盤までボールを前進させると、久保は再びサイドにポジションを取り直すなど、臨機応変に対応。その際には、ライン側のイマノル監督とアイコンタクトを取る様子も見られた。
何度かピンチを招くシーンもあったが、守護神レミーロやゴールポストにも助けられると前半をシャットアウトし、1-0でハーフタイムを迎えた。前半終了間際には、ゴール裏サポーターからTake Kuboコールがしばらく響き渡っていた。
追加点を奪い、シーズン初勝利を味わえる――そんな雰囲気の前半だった。ただ後半になると試合は一変する。
セルタ監督ラファ・ベニテスは、後半頭から選手を変更し、5バック気味のシステム変更でソシエダのサイド攻撃に対応する。
また現地17時に開始されたこの試合では、給水タイムが取られたが、強い日差しの影響もあった。1点リードのソシエダは、64分に2枚、78分に1枚、79分には久保を含めた2枚替えと次々と交代策を取っている。
確かに前半の素早い出だしでの守備に翳りが見えてきていた。相手の攻めに対しフレッシュな選手で立ち向かうのは間違いではないが……交代出場の選手がブレーキになってしまったのは否めない。
前線に入ったのは大怪我から復帰したオヤルサバル、サディクだったが――共に、前線の起点になることはできず、ボールを奪われるシーンが目立った。
さらに怪我で招集されていないミケル・メリノ、引退したダビド・シルバ、ビジャレアルに移籍したセルロートの穴は大きく、薄い選手層の中、取られた交代策は守備的なものとなった。中盤の要スビメンディが思わず監督の元へ駆け寄って言葉を交わすシーンは印象に残る。