ここからシーズン終盤に向けて、八村のチームでの役割は試合ごとに大きくなっていった。ジェームズの言葉通り、出場時間が増えるにつれてチームに必要な活躍をするようになった。

　シーズン終盤は、プレイオフ進出に向けて毎試合が負けられない戦いだったのだが、その崖っぷちの戦いの最後、正念場となった2試合での八村は、第4Qの大半を、ジェームズやデイビスと共にコートに立って戦っていた。

　プレイオフをかけたプレイインゲームでも、第4Qとオーバータイムにスターターと共に出場し、オーバータイム開始直後には試合の流れを決めるような大きな3ポイントを決めている。試合の最後を締めるラインナップに起用されるのは、スターターで起用される以上に、チームにとって重要な戦力と見られている証だ。

ティンバーウルブズとのプレイインゲームで3ポイントを決める八村　©︎AFLO

ハムHC「レイカーズにとって大きな戦力だ」

　ハムHCに試合の終盤で八村を起用するようになった理由について聞くと、こんな答えが返ってきた。

「ルイは本当に才能ある選手だ。フィジカリティ（力強さ）があり、複数のポジションを守ることができる。力強く、フィジカルな競り合いの中でリバウンドを取ることができ、ゴールをアタックすることもできる。ミッドレンジからのシュートが上手く、3ポイントもそれなりに決めることができる。運動能力があり、最近の試合ではエナジーと力強さを出してくれている。すべてすばらしく、うちのチームにとって大きな戦力だ」

　ウィザーズ時代から八村の弱点と言われていたのは、安定しない3ポイントとディフェンスだった。どちらも、才能の片りんは見せながら、毎試合、確実に頼れるレベルにはなかった。そして、最大の課題はシュートが入らないときに、そのアグレッシブさがなくなり、存在感が消えてしまうことだった。

　ジェームズは、そんな八村が常にアグレッシブに、エネルギーを出したプレーができるようなアドバイスをし、自信を持たせ、励ましてきた。プレイオフ初戦に勝利した後、リーダーとしてどうやって八村のスイッチを入れているのか聞かれたジェームズは、こう説明した。

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