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「TAKEあなたは最高です、と日本語で…」久保建英21歳はソシエダで愛される「日本人最多リーガ6点目+“MVPタケクボ”コール」を撮った
posted2023/04/13 11:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
リーガ28節、久保建英所属のレアル・ソシエダは、ヘタフェと対戦。両者ともに見せ場のないまま迎えた前半終了間際、直前にPKを失敗していたオヤルサバルのゴールでソシエダが先制。後半に入って60分には、久保の追加点によりリードを広げたホームチームが、2-0で勝利を収めた。
2トップの一角ながらウイングのようなプレー
イースター休暇の中日となった4月8日、快晴の下、多くのサポーターがレアレ・アレーナへ集まった。その中には、久保への応援メッセージを掲げるファンの姿も多く目につく。その中には手を合わせる絵文字、日本語で「ありがとう」、「あなたは最高です」と記した子供の姿もあった。
先発イレブン全体のアップメニューが終わると、大まかなポジションごとのメニューに移る。久保、オヤルサバル、ブライス・メンデスの3名はフィニッシャーとして、サイドからのクロスをコントロールし、シュートを放つ。何本も連続して際どいコースへボールを打ち込むこの日の久保からは――特別な気合の高ぶり、そして好調さを感じさせられた。
選手入場時には、久保のヘタフェ所属時の元同僚たちと笑顔で健闘を誓い合った。そして、ルーティーンとなったピッチ脇での水分補給をし、自身のポジションへ向かっていった。
久保は守備時に2トップの一角として、相手DFにプレッシャーをかけながら、攻撃時には主に右サイドに張って、ウイングのようなプレーが中心となった。
ただ、アップ時に感じた好調さとは裏腹に、意図しないタッチからボールを失ったり、意図とはズレたミスパスも目についた。また守備に重きを置いたヘタフェのプレッシャーをダビド・シルバを中心とした中盤メンバーも掻い潜ることに苦心し、最前線のオヤルサバルも、CBジェネのマークに苦しむと、チーム全体が低調になった。ゲームが止まった際には、ピッチ内で何度となく言葉を交わし合う姿が見られ、狙ったような試合展開ができていないことが伝わってきた。
PK失敗のオヤルサバルが汚名返上の先制ゴール
それでも試合は前半41分、久保のクロスから始まったゴール前の混戦でオヤルサバルが倒されPKを獲得。ソシエダイレブンの表情にも安堵が浮かんでいたが、キッカーを託されたオヤルサバルがPKを失敗してしまった。